種別 論文
主題 高強度コンクリートの水和発熱による温度上昇がセメントの水和と強度発現に及ぼす影響
副題
筆頭著者 丸嶋紀夫(大成建設)
連名者1 戸祭邦之(大成建設)
連名者2 黒羽健嗣(大成建設)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
14
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先頭ページ 457
末尾ページ 462
年度 1992
要旨 はじめに
高強度コンクリートでは単位セメント量が大きいため、部材断面の大きい構造体ではセメントの水和発熱による温度上昇が大きくなり、構造体強度は初期には大きいが長期の増進が小さい傾向がある。それゆえ、高強度コンクリートの強度管理手法の確立や強度確保のためには、初期の水和発熱による温度上昇が構造体強度に及ぼす影響について把握することが必要となる。そこで、高強度コンクリートの硬化初期の温度上昇を模擬した養生を行い、その強度と水和反応性を測定して温度上昇の及ぼす影響を検討することとした。供試体は、水和反応性の測定精度を確保するためモルタル試料にて行った。実験は、高強度コンクリートの大型試験体中に、同じコンクリートをウェットスクリーニングしたモルタル試料を打ち込んだ状態のまま養生して、自己水和発熱により初期に温度上昇したものと、同じコンクリート調合から粗骨材を除いたモルタル調合の小型供試体に、コンクリート構造体のモデル温度履歴を与えて養生したものの2種類について実施し、強度と水和反応性を比較検討した。
まとめ
設計基準強度600 kgf/cm2の高強度コンクリートを想定した低水セメント比の普通ポルトランドセメントモルタルによる、大型試験体養生実験と初期加熱養生実験の結果、次のことが明らかになった。1)温度履歴の影響による強度発現と水和反応性の傾向については、最高温度が同じであれば、大型試験体内でのセメントの水和に伴う自己発熱による養生と、封かん状態で外部から熱を供給した初期加熱養生はほぼ同等との結果が得られた。2)モルタル強度とセメントの水和反応性は一定関係で、水和反応の進行が大きいほど強度は大きいが、この関係には初期温度履歴も影響している。即ち、初期温度の高い方が、同じ結合水量では強度は低く、また同じ空隙減少量では結合水量はわずかに大きい傾向がみられた。3)巨視的には、初期に高温の履歴を受けたものは最初はセメントの水和反応が促進されて強度発現が大きいが、長期材令では水和反応が停滞して強度増進が低減する傾向がみられた。水和反応性の測定結果からみると、初期の温度履歴の違いによって初期に生成する水和物の結合水量に違いが生じ、また長期で水分が不足することが考えられ、それらが長期材令での水和反応と強度に影響しているものと思われる。これらについては更に詳細な研究が必要である。
PDFファイル名 014-01-1076.pdf


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