種別 論文
主題 硬化コンクリートの配合推定方法
副題
筆頭著者 横山滋(秩父セメント)
連名者1 藤本泉(秩父セメント)
連名者2 高野豊(秩父セメント)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
14
1
先頭ページ 661
末尾ページ 666
年度 1992
要旨 まえがき
硬化コンクリートの配合を推定することは、打設されたコンクリートの品質確認や構造物の耐久性診断等の観点から重要なことであり、特に単位水量は単位セメント量とともに打設されたコンクリートの品質を左右する最も重要な要因であるが、現在提案されているセメント協会方法あるいはグルコン酸ナトリウム処理方法などにおいても単位水量の推定誤差は大きいとされている。筆者らは、既に石灰石や海砂などのカルシウム分を多く含む骨材が使用された場合にも、酸可溶性シリカを指標として、コンクリート試料をぎ酸で溶解し、その溶液を誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP)で分析することにより、容易に硬化コンクリートの単位セメント量および単位骨材量をよい精度で推定できることを示した。しかし、単位水量の推定ではセメント協会法に従いコンクリート供試体を2日間20℃水中に浸漬して吸水させた後、2日間105℃にて乾燥して、その吸水率と強熱減量から単位水量を求めたが、供試体の吸水が不十分であり、その影響が大きくよい結果が得られなかった。本報告では、簡易で精度のよい単位水量の推定方法を検討した結果、精度や所要時間などに関して満足できる一つの方法を見いだし、前述のぎ酸で溶解してICP分析による単位セメント量推定方法と組み合わせることによるコンクリートの配合推定方法を提案するとともに、本法に影響を与える要因と適用性について検討を行った。
まとめ
硬化コンクリートの単位水量はコンクリート試料を真空ポンプで1時間真空脱気し、真空状態を保ちながら注水、さらに1時間脱気し、その後大気圧に解放して2時間水中に浸漬した後水中重量および表乾重量を測定し、105℃にて12時間程度の真空乾燥して絶乾重量を測定することにより安定した吸水率を得ることができ、理論量の±10kg/m3の誤差で単位水量を推定できることが判った。また本単位水量推定方法とコンクリートをぎ酸溶解し、そのろ液のシリカ分をICP分析し単位セメント量を求める方法を組み合わせることで、セメント協会法で5〜6日間要していた硬化コンクリートの配合を、石灰石骨材の使用割合やコンクリートの材令にかかわらず2日間程度と迅速に、単位セメント量および単位水量ともに精度よく推定が可能であり、打設されたコンクリートの品質確認等に広く役立つものと思われる。本配合推定方法は、非常に早期材令で脱型された場合や過剰の空気量、ひび割れなどの欠陥がある場合のコンクリートは推定水量が理論量より多い傾向にあり、養生条件、乾燥状態、配合、空気量など相互の影響が考えられる実構造物への適用性、コンクリート吸水率の補正係数について、今後検討を行う予定である。また中性化した部分のコンクリートでは推定単位セメント量は少なくなる傾向にあるが、従来提案されているいずれの方法においても、適切に配合を推定することは困難であり、さらに検討を要するものと思われる。
PDFファイル名 014-01-1112.pdf


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