種別 論文
主題 コンクリート内部の弾性波動伝播特性に関する基礎的研究
副題
筆頭著者 山田和夫(愛知工業大学)
連名者1 山本正岳(愛知工業大学大学院)
連名者2 浅井陽一(愛知工業大学大学院)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 697
末尾ページ 702
年度 1992
要旨 はじめに
従来、コンクリートの内部探査には電磁波法を用いることが多く、超音波法は殆ど適用されてこなかった。これは、コンクリート内部では骨材などの存在によって超音波の散乱による減衰が著しく、介在物からの反射エコーの抽出が困難なためであるが、超音波法は電磁波法と比較して一般に取扱が簡便で、かつ安全性も高いため、超音波を適用したコンクリートの内部探査に関する試験方法の実用化に対する要望は根強いものがある。近年、電子計測技術およびデータ処理方法の向上に伴って介在物からの反射エコーの抽出精度も徐々に向上しており、超音波を適用したコンクリートの内部探査に関する多方面からの研究が次第に増加しつつある。筆者らも、従来からコンクリート中を伝播し検出された弾性波の周波数特性に着目したコンクリートの非破壊試験方法の確立を目的として一連の実験的研究および理論的研究を行ってきたが、本研究はそれら一連の研究の延長上のもので、入力した超音波の伝播特性とコンクリート内部に存在する空隙や鉄板などの介在物との関係について実験的および解析的に検討を行ったものである。
結論
本研究では、弾性波法を適用したコンクリートの非破壊試験方法を確立するための基礎的研究として、コンクリート内部の弾性波動伝播特性について実験的および解析的に検討を行った。本研究で得られた結果を要約すると、およそ次のようにまとめられる。1)介在物からの反射波が明確に捉えられている場合には、共振周波数の出現状況に着目した共振法を用いることによって、介在物のかぶり厚さをある程度の精度で推定できる。2)コンクリートの内部探査に際して反射法を適用する場合にも、検出された時系列データの立上り時刻の読み取り結果と周波数解析結果とを併用することによって、かぶり厚さの推定精度は更に向上する。3)表面波の影響によって介在物からの反射波の抽出が困難な場合には、介在物からの反射波と表面波とが複合された検出波形を内部に介在物を有さない試験体において検出された波形で差し引くことによって、表面波の影響を軽減させることができる。4)介在物が鉄板の場合には、伝播超音波の一部が鉄板を透過するため、反射波エネルギーが小さくなり、介在物のかぶり厚さの推定精度は、介在物が空隙の場合よりも低下する。
PDFファイル名 014-01-1118.pdf


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