種別 論文
主題 鉄筋腐食したコンクリートの力学的特性とAE特性
副題
筆頭著者 鈴木篤(間組)
連名者1 村上祐治(間組)
連名者2 山下英俊(間組)
連名者3 大津政康(熊本大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 815
末尾ページ 820
年度 1992
要旨 まえがき
塩害に関する研究は、塩化物の拡散・浸透、鉄筋腐食メカニズム、ならびにこれらをふまえたコンクリート構造物の寿命予測などが行われており、劣化診断手法の確立に向けてさまざまな研究が行われている。従来、コンクリート構造物の劣化診断は、外観調査によるひびわれ量および鉄筋腐食量などの調査が行われ、これらの結果より鉄筋コンクリートの部材としての保有耐力が予測される。しかし、鉄筋の腐食によるコンクリートの劣化は、かなり進行してから発見されることが多く、維持管理のためにも早期に劣化を見いだす方法が望まれる。この種の劣化診断法に関する研究の一つとして、アコースティック・エミッション(AE)法を用いて劣化の進行を検出する方法が報告されているが、実用上での適用法等が課題として残されている。本研究は、鉄筋の腐食によるコンクリート部材の劣化をAE法により早期に非破壊的に検出し、さらに劣化した部材の力学的挙動を実験的に検討したものである。
むすび
実験の範囲内で次のことがいえると考えられる。1)電食によって供試体側面に発生した縦ひびわれは、スターラップを有するせん断区間のひびわれ幅と比較して、スターラップの存在しない等曲げモーメント区間の方が大きく、スターラップが縦ひびわれの拡大を相当に拘束していることが認められた。2)電食実験におけるAEの発生は、スターラップによって拘束されている部分の方が多く発生する。3)載荷によって発生したひびわれは、非腐食梁と比較して腐食した場合の方が少なく、破壊までに生じたAEカウント数も腐食した梁の場合の方が少ない。4)載荷実験におけるAEの発生は、非腐食の梁の場合には荷重が与えられた直後からAEが頻発するのに対し、腐食した梁では荷重がある値を越えるまでほとんどAEが発生しないというカイザー効果が認められた。以上要するに、AE法は、鉄筋腐食によるコンクリート部材の劣化を早期に見い出し、劣化の進行および状態を検出するための有効な手段の一つである考えられる。しかし、塩害を受けた既存構造物に対する劣化診断にAE法を用いるには、評価手法等の問題があり、また自然状態における腐食の進行状態把握および促進試験との相関性等、今後現場適用に向けてこれらを解決することが課題であると思われる。
PDFファイル名 014-01-1140.pdf


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