種別 論文
主題 鋼繊維補強コンクリートの収縮ひびわれ抵抗性能
副題
筆頭著者 鈴木計夫(大阪大学)
連名者1 大野義照(大阪大学)
連名者2 中川隆夫(大阪大学)
連名者3 山田紘(神戸製鋼所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1051
末尾ページ 1056
年度 1992
要旨 はじめに
鋼繊維補強コンクリートは、コンクリートの弱点である引張、曲げ、衝撃に弱いという性質を改善できる。この長所を生かして数年前から強度特性の優れた長さ50mm以上の鋼繊維を用い、鉄筋の配筋を省いた土間コンクリートの施工例が増えてきている。その混入量は主として経済性の観点から一般に30kg/m3(0.4%vol)程度とされており、従来の長さ30mm程度の短い鋼繊維を用いた研究においては、乾燥収縮の低減効果が現われにくい範囲である。一方、長さ50mm以上の鋼繊維を用いた場合の乾燥収縮に関する研究はほとんど見当たらない。本研究では、長さ50mmの鋼繊維混入量30kg/m3を基準とする鋼繊維コンクリートと、従来の土間鉄筋量と同程度の鉄筋を配筋したコンクリートの乾燥収縮ひびわれに対する抵抗性能を、標準養生条件下とひびわれの発生に対して厳しい暑中コンクリートを想定した夏期の屋外軒下自然放置条件下において、JIS原案の「コンクリートの乾燥収縮ひびわれ試験方法」である一軸拘束ひびわれ試験によって調べた。なお、拘束ひびわれ試験においては、ひびわれ発生時期だけでなく、そのひびわれ幅の経時変化を測定し、ひびわれ幅に対する鋼繊維の制御効果も調べた。
まとめ
一軸拘束ひびわれ試験によって乾燥収縮ひびわれに対する鋼繊維の制御効果を、鉄筋による制御効果と比較した5ヵ月間の本実験結果をまとめると次のようになる。1)1週間の水中養生後恒温恒湿室において保存した鋼繊維を30kg/m3および50kg/m3混入したコンクリートの自由乾燥収縮は、無混入のプレーンコンクリートに比べてそれぞれ96%および88%に低減された。ひびわれの発生に対して最も厳しいと思われる暑中コンクリートを想定した屋外養生条件下では、鋼繊維30kg/m3を混入したコンクリートの自由乾燥収縮はプレーンコンクリートの94〜84%に低減された。2)ひびわれ発生時期は、(1)恒温恒湿室における試験では、鉄筋D6(鉄筋比0.3%)を配筋した試験体とプレーンコンクリート試験体には差はなく、鋼繊維補強コンクリートのひびわれ発生日は引張強度の増加によって著しく遅くなった。(2)屋外実験では、外気温の変動の影響によって全般にひびわれ発生が早くなり、鋼繊維補強コンクリートのひびわれ発生日は鉄筋コンクリートに比べ恒温恒湿室における実験のような顕著な差は認められず同等であった。3)ひびわれ幅について、(1)恒温恒湿室における試験では、鋼繊維補強コンクリートはひびわれ発生時およびその後も鋼繊維の引張力を保持した。その結果、ひびわれ幅はプレーンコンクリート、鉄筋コンクリート、鋼繊維補強コンクリートの順に減少した。(2)屋外実験では、鋼繊維補強コンクリートのひびわれ幅は鉄筋コンクリートと同程度であった。
PDFファイル名 014-01-1182.pdf


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