種別 論文
主題 RC梁の曲げひびわれ幅の経時変化に関する一考察
副題
筆頭著者 津吉毅(東日本旅客鉄道)
連名者1 大庭光商(東日本旅客鉄道)
連名者2 石橋忠良(東日本旅客鉄道)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 261
末尾ページ 266
年度 1992
要旨 はじめに
コンクリート鉄道桁の設計においては、旧国鉄時代に制定された許容応力度設計法による建造物設計標準(鉄筋コンクリート構造物および無筋コンクリート構造物)では、曲げひびわれの検討を、永久荷重時の鉄筋応力度を制限することにより行わわてきたが、限界状態設計法への移行にともない、原則として、最大曲げひびわれ幅を、耐久性、構造物の外観等から定まるひびわれ幅の制限値以下におさえることにより行うこととしている。この場合に、最大ひびわれ幅の算定精度が設計上重要となってくるが、著者らは、多くの実橋測定等の結果から、表面のひびわれ幅を増大させるコンクリートの乾燥収縮の影響量を従来よりも大きくし、さらに、ひびわれの発生するときのコンクリート材令をパラメーターとすることにより、比較的精度のよい表面の最大ひびわれ幅の算定法を提案してきた。さらに、ひびわれの発生材令の差が、曲げひびわれに与える影響を検討するために、ひびわれ発生材令を違えた供試体を用いた静的曲げ載荷試験を行い、ひびわれを発生させた後、5か月程度経過時までの成果については報告を行った。今回は、ひびわれを発生させた後、約2年経過時までの、ひびわれ幅、鉄筋ひずみ等の経時変化の測定値について若干の考察を加えたので報告する。
まとめ
載荷時のコンクリート材令を違えた供試体の鉄筋ひずみ、ひびわれ幅等の約2年間の測定により、以下のことがわかった。(1)ひびわれ発生材令以外の諸条件が同一であるなら、ひびわれ発生までに進行するコンクリートの乾燥収縮、クリープの影響により、ひびわれ発生時の鉄筋応力度増分は、ひびわれ発生材令の遅い方が大きくなる。(2)今回のような応力レベルにおいては、ひびわれの発生後は、コンクリートの引張部が無視できるという条件のもとでは、ひびわれ発生時点でのコンクリート材令の影響、すなわち、残されたクリープ、乾燥収縮の多少に係わらず、鉄筋応力度の変化量は比較的少ない。(3)ひびわれ発生材令が遅いほうが、コンクリートの乾燥収縮による鉄筋の拘束の影響が大きく、コンクリート表面に大きな引張応力が生じているために、ひびわれの発生頻度が高い。(4)表面のひびわれ幅は、ひびわれの発生後は、主として表面近傍の乾燥収縮の影響により増大し、その増加量は、載荷後約2年後には、初期ひびわれ幅に対して90〜140%とかなり大きい。その影響によるひびわれ幅の増大は、今回の試験では、ひびわれ発生後、約半年間の間にそのほとんどが進行し、約1年でほぼ終了する。(5)表面のひびわれ幅を増加させる表面近傍の乾燥収縮ひずみを逆算すると、400〜700μとなり、供試体寸法を用いて算定した乾燥収縮ひずみよりもかなり大きい。また、その値は、ひびわれ発生材令が早期であるほど大きい。
PDFファイル名 014-01-2044.pdf


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