種別 論文
主題 平滑な面における鉄筋のダボ効果について
副題
筆頭著者 篠田佳男(前田建設工業)
連名者1 三島徹也(前田建設工業)
連名者2 大野琢海(前田建設工業)
連名者3 田中伯明(前田建設工業)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 273
末尾ページ 278
年度 1992
要旨 はじめに
鉄筋コンクリート接合面におけるせん断耐力は、鉄筋の軸力から生じるコンクリート面での圧縮力に基づいた摩擦力と鉄筋のせん断伝達の重ね合わせによって決定される。そのため、接合面でのせん断伝達を一方のみに基づいて検討するには問題があるように思われる。とりわけ、ひびわれ面でのせん断伝達については、前者がかなり大きくなるため、鉄筋のダボ力が無視されがちである。しかし、この場合でもある限界以上の鉄筋が存在すると、せん断耐力は、鉄筋のダボ力を考慮しないと矛盾が生じる。一方、引張鉄筋に軸力とダボ力が連成することは鈴木らに指摘されているように、鉄筋の軸力の存在がダボ耐力を低下させる。そのため、接合面におけるせん断伝達の解析精度を向上するには、鉄筋軸力とダボ力の連成問題として詳細に検討することが重要であると考える。本研究は、このような背景を考慮して、平滑な面からチッピングやひびわれ等の凹凸の影響が大きい接合面までのせん断伝達を精度よく評価することを目的に実施しているものである。なお、鉄筋軸力とダボ力の連成効果については別報で詳しく検討を加えることとし、本報告では、平滑なコンクリート面におけるせん断伝達機構を鉄筋のダボ効果を中心として検討する。
結論
(1)平滑な面に作用するせん断力は、コンクリート面での摩擦力と鉄筋のダボ効果によって伝達される。この両者によるせん断力の分担率は、せん断応力レベルで異なる。(2)せん断応力レベルが小さいと、コンクリート面での摩擦力でも大きなせん断力を分担しており、せん断降伏耐力の50%以下のせん断応力では、作用せん断力の50%以上を負担している。(3)せん断降伏耐力時には、作用せん断力の70から80%も鉄筋で負担する。この鉄筋での耐力決定は鉄筋の曲げ抵抗に強く影響され、その支配断面はせん断面から1〜2D程度離れた位置に存在する。なお、打継ぎ面のせん断伝達特性は打継ぎ処理によって大きく異なる。今後、打継ぎ面の平滑度を上げた試験等を実施し、打継ぎ処理がせん断伝達特性に及ぼす影響を検討する予定である。
PDFファイル名 014-01-2046.pdf


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