種別 論文
主題 連続繊維補強筋を用いたRC版の衝撃破壊挙動解析と耐衝撃性評価
副題
筆頭著者 宮本文穂(神戸大学)
連名者1 M.W.King(神戸大学大学院)
連名者2 石橋照久(神戸大学大学院)
連名者3 三戸雅文(神戸大学大学院)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 643
末尾ページ 648
年度 1992
要旨 はじめに
近年、新素材の開発気運の隆盛とともに、コンクリート構造の分野で、補強材としての連続繊維補強プラスチック(FRP)材が注目を集め、その実用化に向けての研究が多方面で行われている。FRPは、軽量、高耐食性、高強度、非磁性等の優れた特性を持つことから、鉄筋の代替として腐食環境の海洋構造物やリニヤモーターカーの非磁性ガイドウェイ等への適用が期待されている。FRPロッドを鉄筋の代替として適用する場合、現状のFRPロッドは、1)鋼材に比ベヤング係数が小さい、2)鋼材の降伏に相当する現象がなく、脆性的な引張破断を生ずること等から、RC部材に対する主に静的荷重下での検討結果、1)変形(たわみ、ひびわれ幅等)が大きくなる、2)破壊が脆性的となり易い等の欠点が明らかとなりつつある。これらに対する対策として、FRPロッドの高強度を利用したプレストレス効果の付与等の検討が試みられている。本研究は、FRPロッドに対する上述の利点・欠点が、エネルギー的観点からの評価基準が必要となる、偶発的外力である衝撃作用下での破壊挙動にどのような影響を及ぼすかを、理想的と考えられる力学特性を有する材料の提案を含めて解析的に検討するものである。以上の観点から、本研究ではFRPロッドを鉄筋の代替としてRC版に適用した場合の衝撃破壊挙動解析を行い、これに基づいて各種RC版の耐衝撃性評価を試みる。その際、FRPロッドの製造方法および構成新素材の研究・開発はここ数年活発に行われており、将来的にはさらに高性能なFRPロッドの出現の可能性も見受けられることより、本研究では、既存の性能のほかに、近い将来開発の期待できるFRPロッドを含めて、数種類の特性を設定したFRPロッドRC版について耐衝撃性評価を行い、その優位性等を検討するものである。
まとめ
本研究によって得られた主な結果をまとめると次のようになる。1)各種コンクリート版の変形挙動を3次元表示することにより、高次振動の影響を含めた衝撃破壊モードを容易に判断することが可能となった。2)ヤング係数の大きい補強筋を使用したコンクリート版ほど破壊時衝撃力を大きくでき、特に、破壊時衝撃力、衝撃破壊モードおよび靭性の総合的改善にはSFRCが有効であることが確認できた。3)耐衝撃性を考慮した設計を行う場合には、破壊時衝撃力やエネルギー吸収性能の向上、破壊モードや靭性改善の面から、鉄筋以上のヤング係数を持つFRPロッドをSFRC版に対して適用する必要があることがわかった。4)既存のFRPロッドを、従来の普通鉄筋コンクリート版(「RC-35」版)に鉄筋の代替とする場合は、衝撃破壊モード、破壊時衝撃力、エネルギー吸収能および靭性の改善効果の高いSFRCに適用すれば鉄筋コンクリート版(「RC-35」版)と同程度かそれ以上の耐衝撃性が期待できる。5)破壊時衝撃力、全エネルギー、局部変形指数および衝撃破壊モードは、各種RC版の耐衝撃性を評価するうえで有効な指標であることがわかった。
PDFファイル名 014-01-2111.pdf


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