種別 論文
主題 卓上準動的地震応答載荷装置の開発
副題
筆頭著者 池田尚治(横浜国立大学)
連名者1 山口隆裕(横浜国立大学)
連名者2 林秀彦(横浜国立大学大学院)
連名者3 滝澤晶(横浜国立大学大学院)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 809
末尾ページ 814
年度 1992
要旨 はじめに
準動的載荷実験はオンラインハイブリッド実験、仮動的載荷実験などとも呼ばれ、構造物の地震時の応答挙動を時間スケールを伸ばした状態で生起させようとするものである。現在使用されている載荷システムは、高価な電気油圧サーボ式アクチュエーターを用いたものが主であり、システム全体としても大規模なものとなっている。また、高速載荷や高サイクル疲労載荷を対象としない場合には、安価な電動サーボ式モーターを用いたシステムを用いることができる。本研究は、これまでの載荷システムに比べてはるかに安価で取り扱い易くシステム構成も単純な、小型模型部材を対象とした卓上型の準動的地震応答載荷装置の開発を目的としたものである。この装置を開発することにより、大規模な実験を行う前の予傭実験や振動台実験との比較実験などを合理的に行うことができるとともに、準動的載荷実験の普及にも寄与するものと思われる。
まとめ
本研究の結果をまとめると次の通りとなる。1.載荷容量20kgfの安価でシステム構成の単純な卓上型の準動的載荷装置を開発することができた。これにより、小型の模型供試体を用いて容易に準動的載荷実験が行えることとなった。2.鋼柱を用いた静的正負載荷実験の結果、本装置の精度とその特性とが確認された。即ち、載荷が正負逆転するときに載荷容量の約1/1000の荷重のみの変動が認められた。3.鋼柱を用いた実験において、静的載荷で得られた鋼柱の剛性と準動的載荷時に得られる1ステッブごとの剛性には、わずかであるが差がみられた。鋼柱の弾性域のような剛性の変化がほとんどなく、地震入力をsin波のように同一周期の繰り返しで行った準動的載荷実験の時刻歴応答変位にこの影響が現れ、時間の経過と共に実験値と計算値との周期がずれてくることが認められた。4.前項の場合で剛性を準動的載荷実験より得られた値とし、載荷が正負逆転するときの復元力の変動を考慮して計算した応答変位の時刻歴応答変位曲線の値は応答の最終段階まで実験値とよく一致した。5.モルタル柱のような剛性の変化の大きい部材の場合、載荷が正負逆転するときの復元力の変動を考慮して計算した応答変位の値と考慮していない値とではほとんど差が生じなかった。したがって、剛性の変化の大きい部材を対象とした実地震波による準動的載荷実験においては、本載荷システムに含まれる誤差が結果に及ぼす影響はほとんどないものと考えられる。
PDFファイル名 014-01-2140.pdf


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