種別 報告
主題 超流動コンクリートの過密配筋構造物への適用に関する実験的検討
副題
筆頭著者 三浦律彦(大林組)
連名者1 小松原徹(東京ガス)
連名者2 宮崎信一(東京ガス)
連名者3 入矢桂史郎(大林組)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 95
末尾ページ 100
年度 1992
要旨 まえがき
近年、コンクリート構造物の大型化や多様化、複雑化が進んでおり、コンクリート工事の省力化や合理化が最重要課題となっている。このような背景から、最近では流動性を著しく高めたコンクリート(以下超流動コンクリートと呼ぶ)を用いて施工性を改善する研究が盛んに行われるようになってきた。これらの報告では、スランプフローを大きく設定し、適度の分離抵抗性を付与することで、コンクリートの流動性や充填性が改善できることが示されている。比較的マッシブな土木構造物においても、コンクリートの高強度化や経済設計手法の影響を受けて部材断面はより薄肉化する反面、構造性能から要求される鉄筋量が増加する傾向にあり、従来よりさらに過密な配筋となる部材も見られるようになってきた。このような所にコンクリートを打設する場合、締固め作業が重要な役割を担うが、部材形状や配筋状態によってはバイブレータによる締固めがやりにくく、多大な時間や労力を要するケースが見受けられる。そこで、このような箇所に上記の超流動コンクリートを適用し、施工性や充填性を改善することを計画した。本報告は、ある土木構造物の過密配筋部に超流動コンクリートを適用することを想定し、実構造物と同様な配筋を有する実大部材モデルを用いた打設実験の概要を示すものである。ここで検討した超流動コンクリートは、市販の混合セメントや混和剤を組合せて使用し、セメント量を温度応力低減の観点から最小限に抑えたところに特色があるもので、レデーミクストコンクリート(以下レミコンと略)工場で比較的簡易に対応できる超流動コンクリートである。
まとめ
1)今回の実験で検討した超流動配合のうち、A配合は流動性、充填性は良好であったが、スランプフローが55cm以上になると粘性不足に起因する分離抵抗性の低下により、流動に伴う若干の品質低下が認められた。従って、今回のセメントを使用し160L/m3(445kg/ m3)程度の単位セメント量で流動後の品質も良好な超流動配合とするには、水量(すなわち水セメント比)の低減や増粘剤の併用など、分離抵抗性改善のための対策を講じる必要がある。2)単位セメント量が175L/m3 (487kg/m3)の超流動B配合は、流動性、充填性、均質性、品質変動の少なさ等何れの点においても、普通配合のコンクリートをバイブレータを使用して打設した場合に劣らない良好な性状を示すことが確認された。3)市販のセメントと減水剤の組合せのように比較的簡易な手法によっても、配合をうまく選定し、製造時の品質管理を適正に行うことにより、過密配筋構造物に十分適用できる高品質な超流動コンクリートが達成できることが判明した。なお、マスコンクリート構造物ではセメント量が比較的多いため、何らかの温度応力低減対策を講じる必要があると思われる。
PDFファイル名 014-02-1013.pdf


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