種別 論文
主題 超高強度コンクリートを用いた実大柱形模擬部材の強度発現性に関する検討
副題
筆頭著者 久保田昌吾(大林組)
連名者1 中根淳(大林組)
連名者2 斉藤裕司(大林組)
連名者3 一瀬賢一(大林組)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 51
末尾ページ 56
年度 1993
要旨 はじめに
鉄筋コンクリート造超高層建物に用いる超高強度コンクリートの強度レベルは、年々超高強度化の傾向にあり、最近では設計基準強度(以下Fcと呼ぶ)600kgf/cm2級コンクリートの実工事への適用も計画から実用化への段階に入ってきたように思われる。このような超高強度コンクリートを用いた柱部材強度は、普通強度レベルのコンクリートに比べて水和熱による温度上昇量が高く、材令4週から13週にかけての強度の伸びが小さくなるとともに、柱頭、柱脚部分の強度差が少なくなる傾向にある(1)など超高強度コンクリートの特性が部材強度にも影響しているように考えられる。本報では、Fc 1200kgf/cm2以上(ここでは、構造体コンクリートから採取したコア供試体の材令91日強度がFc以上のものをいう)の超高強度コンクリートを用いて柱形実大模擬部材を製作し、(1)水和熱による温度上昇量とコア強度の関係、(2)コアの採取方向(鉛直・水平)とコア強度の関係、(3)柱部材の高さ方向の強度差とこれに影響を及ぼすと考えられる各種要因(水結合材比、骨材分離、空気量)との関係、(4)部材から採取したコアの圧縮強度と各種管理用供試体強度との関係、などについて柱形部材に限定して強度発現性状を調査・検討した。
まとめ
Fc 1200kgf/cm2以上の超高強度コンクリートの柱形部材の強度性状を調査した結果、概略以下のことが分かった。(1)水和熱による温度上昇量が50℃(最高温度約70℃)以下の場合、材令4過から13週にかけて10%以上の強度の伸びが期待できる。(2)コア強度の異方性については、超高強度コンクリートにおいても鉛直方向の強度に比べて水平方向の強度が5%ほど低くなるケースがある。(3)上下方向におけるコア強度は全般的に柱頭部がやや低く、柱脚部へ向かうにしたがって高い。上下間の強度差は材令4週で140〜240kgf/cm2で、中でもAs骨材使用が顕著である。コア強度の標準偏差はAs-20が100kgf/cm2で大きいものの、総平均値では約65kgf/cm2程度である。なお、このような上下方向の強度差は材令の経過とともに減少の傾向にある。また、高さ方向のコア強度と水結合材比、粗骨材面積率、空気量、総細孔量、および単位容積質量の関係は、いずれも高い相関性は認められなかった。今後はコンクリートの水和に伴う組織について究明する予定である。
PDFファイル名 015-01-1006.pdf


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