種別 論文
主題 高流動コンクリートの流動性評価に関する研究
副題
筆頭著者 吉野公(鳥取大学)
連名者1 西林新蔵(鳥取大学)
連名者2 井上正一(鳥取大学)
連名者3 権赫文(鳥取大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
1
先頭ページ 119
末尾ページ 124
年度 1993
要旨 はじめに
コンクリート構造物の大型化や高層化が進む中、コンクリート作業員の人員不足が顕在化し、コンクリート工事の省力化や合理化が求められるとともに、作業者の熟練度や施工法に左右されない、高品質でかつ高耐久性のコンクリートの開発が強く望まれている。このような背景から、フレッシュコンクリートの施工性能改善を目的として、高流動性と材料分離抵抗性を合わせ持つ締固め不要コンクリートあるいは高流動コンクリートの研究が活発に行われるようになった。この種のコンクリートは複数の混和材を混和したり、増粘剤を添加するなど、流動性と材料分離抵抗性に対する様々な工夫がなされている。しかし、適正な配合設計方法は確立されておらず、また、これらのコンクリートは、従来のコンクリートに比ベフレッシュ時の性質が異なるため、スランプやスランプフローだけで流動特性を評価するには不十分であり、流動性と材料分離抵抗性を評価するための測定方法が種々提案されているが、いまだに確立された方法はない。本研究は、使用材料あるいは配合が高流動コンクリートのワーカビリチーに及ぼす影響を把握することを目的とし、まず、モルタルのレオロジー定数、粗骨材土等が高流動コンクリートの鉄筋間の通過性に及ぼす影響を検討した。次に、高流動コンクリートの混和材の一種として用いられている石灰石微粉が高流動コンクリートのワーカビリチーに及ぼす影響を粉末度の異なる3種類の石灰石微粉を用いて実験的に検討した。
まとめ
本研究は、使用材料あるいは配合が高流動コンクリートの流動性に及ぼす影響を把握することを目的とし、まず、モルタルのレオロジー定数、粗骨材量および鉄筋間隔を試験要因に選び、それらが高流動コンクリートの鉄筋間の通過性に及ぼす影響を個々に検討した。次に高流動コンクリートの混和材の一種として用いられている石灰石徹粉が高流動コンクリートの流動性に及ぼす影響を粉末度の異なる3種類の石灰石微粉を用いて実験的に検討した。以下に本研究の主な結果を要約し、まとめとする。1)本研究で選択した要因の中では、モルタル部分のレオロジー定数の影響より、鉄筋間隔および粗骨材量がコンクリートの鉄筋間通過性に及ぼす影響が大きく、粗骨材量316l/m3の場合には鉄筋間隔が粗骨材最大寸法の9/5ではコンクリートは閉塞せず流れるが、粗骨材最大寸法の3/2以下では閉塞した。また、鉄筋間隔と粗骨材最大寸法の比を粗骨材量で除した値が、鉄筋間をコンクリートが良好に通過するかどうかの指標となりうる。2)本研究で用いた石灰石微粉では、高炉スラグで見られるような粉末度の増加に伴うコンクリートの流動性の低下は見られず、逆にもっとも粉末度の大きい石灰石微粉を用いたときコンクリートの流動性がもっとも良好であった。これは、石灰石微粉の粒径分布に伴う粉体の実績率が大きくなったためと考えられる。
PDFファイル名 015-01-1018.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る