種別 論文
主題 セメントを安定材とした事前混合処理土の水中打設強度
副題
筆頭著者 伊藤亜政(群馬大学大学院)
連名者1 千葉昭一(三井不動産建設)
連名者2 辻幸和(群馬大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 281
末尾ページ 286
年度 1993
要旨 はじめに
水中における人工地盤の造成材料であり、セメントを安定材に用いる事前混合処理土は、土を固める新技術の一つであり、東京湾横断道路の建設に用いられている。事前混合処理土は、利用目的に適合した性状の地盤を短期間に造成できるなどの優れた特徴をもつことから、今後、大いに活用されるものと考えられる。しかしながら、現状の事前混合処理土は、水中での材料分離を防止するための助材などに特殊な仕様があり、利用目的によっては高価なものとなる。そこで、助材に一般的な材料を用いる事前混合処理土を開発するための室内実験を行い、これまでに以下のことを報告してきた。すなわち、1)構成材料が「砂質土+安定材+水」である事前混合処理土に比較して、関東ロームを助材に用いた事前混合処理土は、水中分離抵抗性および流動性が改善され、ブリージングが抑制されて、硬化後の強度が増加すること、2)関東ロームを助材に用いた事前混合処理土の水中分離抵抗性は高いが、水中打設時に若干の汚濁を発生する。その防止方法としては、分離防止剤を事前混合処理土に混合するのではなく、高分子凝集剤であるポリアクリルアミドを分離防止剤としてその水溶液中に打設するのが有効であり経済的であること、3)事前混合処理土は、ポリアクリルアミドが混入すると、その強度が低下する。それを防ぐ打設方法としては、トレミーを用いてその筒先周辺の限られた空間に分離防止剤水溶液として極めて濃度の低いポリアクリルアミド水溶液を置き、トレミーから流出する事前混合処理土を分離防止剤水溶液で覆うのが適当であることなどである。今回は、事前混合処理土がトレミー周辺の分離防止剤水溶液で覆われた後に塩水中に流動した場合の分離防止剤の効果の持続性を確認するため、小型水槽において分離防止剤水溶液を用いた場合および特に用いない場合の事前混合処理土の水中打設強度を比較した結果を報告する。
まとめ
セメントを安定材とし、関東ロームを助材とする事前混合処理土を、分離防止剤としては極めて濃度の低いポリアクリルアミド水溶液中にトレミーを用いて打設し、続いて塩水中を流動した後の表面形状、濁度および硬化した後の一軸圧縮強さを、分離防止剤を用いない場合と比較して、次のような結果を得た。(1)分離防止剤水溶液中に打設された事前混合処理土は、その後塩水中を流動しても分離防止剤の効果が認められ、水中汚濁の発生が極めて小さく、硬化した事前混合処理土の強度の低下が少なく、ばらつきも小さい。また、レイタンス状の物質の発生も極めて少ない。(2)関東ロームを助材に用いた事前混合処理土は、練りまぜ後一定時間を経過すると、流動性が低下するが、そのような事前混合処理土を塩水中に打設すると、表面勾配が大きくなり、強度のばらつきが大きくなる。
PDFファイル名 015-01-1046.pdf


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