種別 論文
主題 遠心成形のノロの発生に及ぼす練り混ぜ方法の影響
副題
筆頭著者 伊藤幸広(東京理科大学)
連名者1 辻正哲(東京理科大学)
連名者2 袴田智之(日本コンクリート工業)
連名者3 渡部浩(東京電力)
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
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先頭ページ 285
末尾ページ 290
年度 1993
要旨 まえがき
遠心成形の際に発生するノロ(セメント、水などからなるスラリー状の物質)は、一般に中和、脱水等の処理を施した後に埋め立て廃棄処分されている。しかし、ノロの処理には多くの費用を必要とするばかりでなく、近年では埋め立て処分地の確保難といった問題も生じてきている。そのため、ノロの発生を抑制する方法に関する研究が近年多く行われるようになり、一部は実用化されるまでに至っている。こうしたノロを抑制する方法には、微分未材料を添加し保水性を高める方法、増粘剤を主成分とした混和剤を添加し、ペースト中の水分の降伏値を上げる方法、ノロとして多く排出されるセメント中の微粒分の割合を少なくした粒度調整セメントを用いる方法などがある。一方、従来の一括練り混ぜ方法に対し、水やセメントを分割して練り混ぜると、ブリージングをはじめとしてコンクリートの諸性質が改善されることが知られている。その理由として、骨材周囲に水セメント比の小さなペースト(モルタル)層が形成されることや、セメント粒子の分散性が向上することが考えられている。したがって、分割練り混ぜ方法で製造したコンクリー卜は、セメント粒子の分散性が良く保水性が高くなることから、遠心成形時のノロの発生量を少なくできる可能性がある。本研究は、遠心成形時のノロの発生に及ぼす練り混ぜ方法の影響を検討することを目的としたものであり、特に分割練り混ぜ方法におけるノロ抑制剤の添加方法がノロの発生に及ぼす影響について検討を行ったものである。
まとめ
本実験で得られた結論を要約すると以下のとおりとなる。(1)セメントを分割し、細骨材と粗骨材の両方にセメントペースト(モルタル)を付着させるという練り混ぜ方法でコンクリートを製造すると、ノロ抑制剤を同量添加し一括方式で練り混ぜたものより大幅にノロの発生量を低減させることができる。ただし、ノロの抑制におよぼす練り混ぜ方法のみの効果はほとんどなく、ノロ抑制剤との相互作用により効果が得られる。(2)分割練り混ぜ方法によって製造したコンクリートのノロ固形分比は、一括方式によるものよりも小さくなる。(3)練り混ぜ方法の違いによらず、発生するノロ量が少ない供試体ほどペースト層の厚さは厚くなる傾向にある。(4)水分割方式およびセメントを分割し細骨材のみにセメントペーストを付着させるという練り混ぜ方法で製造した遠心成形供試体の圧縮強度は、一括方式で製造したものよりも大きくなる。
PDFファイル名 015-01-1047.pdf


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