種別 論文
主題 シリカフュームの品質がコンクリートの流動性および強度に及ぼす影響
副題
筆頭著者 久田真(東京工業大学)
連名者1 長滝重義(東京工業大学)
連名者2 大即信明(東京工業大学)
連名者3 北出啓一郎(東京工業大学大学院)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 303
末尾ページ 308
年度 1993
要旨 はじめに
近年、コンクリート構造物を施工するにあたっては、施工性がよく、高強度でしかもよりすぐれた耐久性を備えたコンクリートを用いることが切望されている。このような要求を満足するために、わが国においては、各種のセメント系混和材料や減水効果のすぐれた高性(AE)減水剤が用いられている。シリカフュームも、前述のようなコンクリートの高性能化を実現するために大いに期待されている混和材料であるが、その品質や適用方法については不明確な点が多く、高炉スラグ微粉末やフライアッシュのような規格もないのが現状である。このような観点から、本研究においては、現在わが国で入手可能なシリカフューム13種類について、これらの物理化学的性質、すなわちシリカフュームのキャラクターの把握を試みると同時に、シリカフュームを用いたコンクリートの流動特性ならびに強度特性についての比較検討を行い、コンクリートの流動性および強度に影響をあたえるシリカフュームの品質指標を明らかにすることを実験的に試みた。
結論
本研究を通じて得られた主な結論を以下に示す。(1)シリカフュームの物理化学的性質は、比較的よい相関関係にあるいくつかのグループに分けることができると考えられる。本研究の範囲では、このグループは4つに分けることができ、1)SiO2、Na2Oeq.、MgOグループ、2)強熱減量、炭素グループ、3)比重、湿分グループ、そして4)いずれにも相関性のないグループに分類することができる。(2)シリカフュームを用いたフレッシュコンクリートの流動性は、水結合材比50%の場合には改善されず、高強度コンクリートに用いる程度の水結合材比30%の場合には、若干ではあるが改善される傾向にある。また、本研究の範囲では、顆粒状のシリカフュームは粉末状のものに比べてコンクリートの流動特性が低下すると判断するのは困難であり、むしろ練り上がり後のコンクリート中におけるシリカフュームの分散状態が、コンクリートの流動特性に影響を及ぼしているものと考えられる。(3)シリカフュームを用いたコンクリートの圧縮強度は、水結合材比50%よりも水結合材比30%における方が強度の増加程度が大きい。また、シリカフュームの湿分や比重等がコンクリートの圧縮強度と比較的相関性があり、これらの成分がコンクリートの強度特性に及ぼすシリカフュームの品質指標の一つの目安になる可能性があるものと考えられる。(4)本研究の結果は、海外のシリカフューム産地国での試験結果と異なったものとなっている.すなわち、わが国で入手可能なシリカフュームは、その化学成分、粒度、形態等の影響以外に、湿分等の影響が卓越している可能性がある。これの原因としては、輸送中あるいは保管中に、なんらかの経緯で空気中の水分等の作用があったものと考えられる。
PDFファイル名 015-01-1050.pdf


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