種別 論文
主題 炭酸ガスを吸収したポーラスコンクリートの物性
副題
筆頭著者 小川洋二(徳島大学)
連名者1 島弘(徳島大学)
連名者2 河野清(徳島大学)
連名者3 松尾保明(徳島大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 531
末尾ページ 536
年度 1993
要旨 はじめに
大気中の二酸化炭素(以下CO2)濃度が、年々増加の一途をたどっている主原因のひとつとして、化石燃料の大量消費によるCO2の排出があげられている。この排出されるCO2を有効に固定・利用する方法は非常に難題であり、現在広い分野で技術開発が始まったばかりである。コンクリート工学において、CO2を利用する方法のひとつとして、セメントの水和反応によって生じる水酸化カルシウムが、CO2と反応して炭敢カルシウムに変化することによる炭酸化硬化反応を利用することが考えられる。コンクリートにCO2を効率よく吸収させようとすると、CO2とセメントペーストが接触する面積が大きく、透気性のよいポーラスなコンクリートが適していると考えられる。一方、ポーラスコンクリートは、以前からその透水性、透気性、吸音性などの特長を活かして、道路舗装材や雨水浸透ます、都市景観材料などに適用されるなど機能性コンクリートとして注目されている。最近ではさらに、水質浄化用や魚礁としてなどにもその適用の可能性が拡がっている。したがって、これらの2つの特長を組み合わせると、ポーラスコンクリートにCO2を吸収させることによって、1)CO2の有効利用と2)ポーラスコンクリート自身の特性の向上(強度増加、耐久性向上、親生物環境)につながる可能性が考えられ、筆者らは、ポーラスコンクリートのCO2吸収特性とCO2を吸収させることによっておこる物性の変化について研究を始めた。本研究では、ポーラスコンクリートの空隙率がCO2吸収量におよぼす影響、およびCO2吸収量と強度、弾性係数、耐海水性との関係について検討を行った。
まとめ
ポーラスコンクリートの空隙率を変化させて、CO2濃度20%、温度30%の環境下で養生し、空隙率とCO2吸収特性、および物性の変化について検討を行った。得られた結果を以下にまとめる。(1)CO2吸収量は、空隙率によって変化するが、空隙率が小さくなるにつれて、内部で空隙の閉そくがおこり、CO2吸収量に影響を与える。(2)本実験条件下でCO2を吸収させると、水セメント比、空隙率に関係なく14日までは強度が増加した。それ以後の強度増進は横ばい状態になった。(3)本実験条件下では、水セメント比が一定の時、強度の増進に影響をおよぼすCO2吸収量には限界点があり、その点までのCO2吸収量であれば強度増加に効果がある。(4)CO2を吸収させることによる静弾性係数の変化は、強度の増減に対応していた。(5)CO2を適度に吸収させることによって、海水に対する抵抗性は向上した。
PDFファイル名 015-01-1088.pdf


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