種別 論文
主題 型わく面の熱画像解析によるコンクリートの打設監視法に関する研究
副題
筆頭著者 渡部正(前田建設工業)
連名者1 魚本健人(東京大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
1
先頭ページ 583
末尾ページ 588
年度 1993
要旨 はじめに
コンクリート構造物を施工する際の型わく内へのコンクリートの打込みは、硬化後の構造体品質に対して極めて大きな影響を及ぼす重要な作業工程であり、その時に生ずる欠陥を未然に防止することが施工管理の本来あるべき姿と考える。そのためには、施工過程をモニタリングしてその品質を定量的に評価する技術が必要である。そこで、著者らは、コンクリート打込み時の型わく外面の熱画像を計測することによって、打込み状況をモニタリングする方法を提案している。この手法を用いれば、締固めが行なわれたかどうかの判定や空隙、豆板等の検出を打込み時にリアルタイムで行なうことができる。したがって、そのような欠陥が検出された場合には、その時点にて再度入念な締固めを行なうなどの対処ができるため、欠陥を未然に防止することが可能となる。本手法に対し、欠陥の判別を定量的に行なうための画像処理法については、著者らが既に提案しているものの、しきい値の合理的設定法については未検討であった。そこで、本研究では、熱画像内における温度の誤差に基づいて、コンクリートの充填度合がどの程度まで検出できるかを検討するとともに、3値化画像にて未充填部を客観的に抽出するためのしきい値設定法について検討したものである。
おわりに
本研究の結果、以下のようなことが明らかとなった。(1)撮影した熱画像、すなわち、記録された温度情報には装置の性能、計測条件、および、対象物体の性質等に起因する誤差が含まれているため、画像を解釈する場合にはそのことを考慮する必要がある。(2)本手法での判別可能なコンクリートの充填率についての検討を行った。その結果、今回の実験の条件下においては、信頼確率95%にて充填部と充填不良部とを識別する場合には、充填率94%が境界となり、その値以下の充填率であれば判別可能であることが明らかとなった。(3)コンクリート打込み前後の型わく外面の熱画像を画像間差分処理によって得られた画像に対し、温度変化量にしきい値を選択して3値画像処理を行なうことにより、充填不良部分の判別が客観的に行えることが明らかとなった(4)コンクリートが充填された部分の画素温度はほぼ正規分布にしたがっており、このバラツキを考慮することにより、上記(3)のしきい値が適切に設定できることが分かった。今回の研究における画像解析は、汎用のパーソナルコンピュータにより行ったが、適用した画像処理法は、比較的簡単な方法のものであるため、リアルタイム処理は十分可能であると考えられる。
PDFファイル名 015-01-1097.pdf


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