種別 論文
主題 横波弾性波のスペクトルによる凍結融解劣化の定量的評価
副題
筆頭著者 上杉真平(熊本工業大学)
連名者1 大津政康(熊本大学)
連名者2 福本進也(熊本大学)
連名者3 門司唱(熊本工業大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
1
先頭ページ 643
末尾ページ 648
年度 1993
要旨 はじめに
−般にコンクリートが凍結融解作用を受けると、コンクリート内部の空隙に含まれている水分が凍結することにより膨張し、反対に融解時には収縮して、その繰り返しにより組織の劣化が進行していくことが知られており、この劣化の材料的メカニズムについてはこれまでに多くの研究がなされている。しかし、凍結融解作用による劣化の問題を扱うには、劣化機構解明と同時にその程度を正しく評価することが構造物の維持管理、補修の上で重要であり、いくつかの方法が提案されている。ところで、非破壊検査法の一つに弾性波スペクトロスコピー法と呼ばれるものがある。これは、透過波の周波数特性を調べることにより個体内部の状況を調べようとするもので、不均質な対象物に対しても大変有効であることが知られている。本研究は、凍結融解作用を受けたコンクリートの初期の段階での表面からの劣化程度を評価するために横波弾性波によるスペクトロスコピー法を用い、この問題への適用の可能性について基礎的な考察を行ったものである。
結論
横波弾性波スペクトロスコピー法を凍結融解作用を受けたコンクリート試験体の劣化度評価に用い、その適用性について基礎的な検討を行った。ここで得られた結果をまとめると次のとおりである。(1)弾性波スペクトロスコピー法によって得られた応答スペクトルに現れるピークは表層の劣化度に依存しており、このピーク周波数値は劣化の進行(劣化サイクル)に伴って変化するので、適切に選定したピークの変化を調べることによって求められるCalibration Curveから劣化度を推定することが可能である。(2)実験から得られた横波弾性波の応答スペクトルがSH波による2次元面外波動場のBEM解析によって理論的に検証されたことから、この種の問題が半無限領域における2次元面外問題として比較的容易に扱い得ることがわかった。これより、一般に巨大な規模をもつコンクリート構造物の現場における劣化度評価において、横波弾性波を用いたスペクトロスコピー法の結果を理論的に検討できることが明らかになった。(3)本手法を実用化するためには、各劣化サイクルにおける表面からの劣化深さとピーク周波数との関係を明確にすることと、最も代表的なピークの選定法を確立することが今後の課題である。
PDFファイル名 015-01-1107.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る