種別 論文
主題 濃度の異なるNa2SO4溶液に浸漬したモルタル供試体の化学的特性
副題
筆頭著者 佐々木肇(間組)
連名者1 谷口公一(間組)
連名者2 広永道彦(電力中央研究所)
連名者3 遠藤孝夫(電力中央研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 673
末尾ページ 678
年度 1993
要旨 まえがき
近年、地下発電所や地下石油備蓄基地などのような大規模地下構造物が増加している。このような地下構造物は、その立地条件から地上の一般の構造物とは異なり、保守・補修が困難である。そのため、構造物に要求される耐用年数によっては、非常に長期にわたる耐久性が必要となる。このような地下構造物の耐久性に影響を及ぼす劣化因子の一つに地下水に含まれている硫酸塩などによるコンクリートの化学的劣化が考えられる。本研究では、硫酸塩に対するコンクリートの耐久性評価方法を提案するために、化学的腐食の速度を考慮に入れた耐久性評価のモデル化を行った。本報告は、このモデルを立証するための基礎的データを得る目的で、濃度の異なるNa2SO4溶液(5%、10%)にモルタル供試体を1年間浸漬し、硫酸塩の浸透深さの経時変化をX線マイクロアナライザー(以下、EPMA)により計測した結果について、化学的観点から考察を行ったものである。
まとめ
モルタル供試体をNa2SO4溶液に1年間浸漬し、EPMAによりSO3の浸透深さを分析した結果、以下のことが明らかとなった。1モルタル供試体中に浸透した硫酸塩の濃度が小さい場合は、主として吸着により浸透し、浸透した硫酸塩の濃度が大きい場合には、セメント水和物と化学反応を起こしながら浸透する。Na2SO4溶液の濃度が5%および10%の場合、その境界となる浸透したSO3重量濃度は3%と5%の間にある。2 SO3重量濃度が3%の領域では、硫酸塩は、主として吸着により浸透しているため、浸透深さは吸着式により決まる。3 SO3重量濃度が5%以上の領域では、硫酸塩は、主として化学反応を起こして浸透するため、浸透深きは反応速度式により決まる。今後は、これらの現象が他の材料や配合においても成立するのかを確認するとともに、硫酸塩とセメント水和物との反応により生成したイオウ含有鉱物の組成を明らかにし、イオウ含有鉱物の組成変化と物理試験結果から、硫酸塩による化学的腐食の速度を考慮に入れた耐久性評価方法の提案を試みたい。
PDFファイル名 015-01-1112.pdf


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