種別 論文
主題 FRP塗工のためのコンクリート面下地調整の検討
副題
筆頭著者 浦上良樹(兵庫県)
連名者1 瀬尾健二(姫路工業大学)
連名者2 日下正広(姫路工業大学)
連名者3 高島昭治郎(ダイセルテクノロジーサービス)
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
1
先頭ページ 715
末尾ページ 720
年度 1993
要旨 はじめに
コンクリート面樹脂塗工は、従来から、防水・美観等の目的で土木・建築の分野で実施されてきた。特に最近は、塩害・アルカリ骨材反応・H2Sによる腐食等に対する防食対策、また都市空間、海岸等の景観化にも用いられ、その需要は拡大しつつある。しかし、これらコンクリート面樹脂塗工については、いまだ、その技術体系も確立されず各現場において試行錯誤的に施行されている。樹脂の接着力確保に最も基本的と思われる「コンクリート面下地調整」に関しても、その仕様のほとんどはレイタンス、および異質物除去を指摘するにとどまり、コンクリートの表面性状にまで言及したものは見あたらない。以前筆者の一人は、兵庫県が施工している揖保川流域下水事業において、皮革関連工場からの強腐食性水質の排水を受け入れるため防食対策の必要にせまられ、施設各槽の腐食環境に応じたFRP樹脂ライニングを施した。その際、本工事に先立ち、接着力向上を期待して試験的に下地調整を検討した。しかし後に示すように接着力の評価に問題があり、下地調整の効果を明らかにすることが出来なかった。しかしこれまでの経験から本工事においては、従来のレイタンスおよび異質物除去という仕様のみでは不十分と考え、下地調整として、コンクリート表面の細骨材の露出が認められる程度に研磨し、さらに高圧洗浄を行う方法を採用した。それ以来接着力の適正な評価法の必要性を持ち続けてきた。最近筆者らはFRP樹脂ライニングの接着力評価には剥離試験が有効であることを示し、この試験で求められる剥離時の限界エネルギー解放率を用いればFRP樹脂ライニングの接着力を合理的に評価できることを明らかにした。本報告ではこの方法を用いて接着力を評価し、コンクリート下地調整が接着力に大きく影響することを明らかにし、よりよい接着力を確保するためのより適切な下地調整の方法について検討したものである。
まとめ
本研究で得られた結果は以下の通りである。1)従来より行われている建研式引張試験ではコンクリート面下地詞整の接着力に及ぼす影響は明確にはできなかった。しかし筆者の提案したGC値を用いることによって接着力は下地調整によって大きく影響されることが明らかになった。2)本実験では、下地調整未処理、ペーパー仕上げ、グラインダーでコンクリート表面から1mm研削、2mm研削の順で接着力は強くなった。特にグラインダーで2mm研削の場合、未処理の場合に対して4倍以上の接着力が得られた。3)コンクリート面上への樹脂ライニングの施工においては、コンクリート表面層の成分(セメントペースト・細骨材・粗骨材)問の結合力およびそめ成分割合と用いたプライマーの性質が接着力を支配する非常に重要な因子となることがわかった。
PDFファイル名 015-01-1119.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る