種別 論文
主題 劣化コンクリートのAE特性に関する研究
副題
筆頭著者 矢村潔(摂南大学)
連名者1 長井吾朗(摂南大学大学院)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
1
先頭ページ 853
末尾ページ 858
年度 1993
要旨 はじめに
コンクリートの劣化の診断・評価にアコースティック・エミッション(AE)計測法を利用する試みは、計測機器の進歩、コンピューターによる解析手法の進歩と相まって、最近、非常に注目されてきている。しかし、複合材料であるコンクリートのAE特性はきわめて複雑でありまた、変動も大きい。従って、定量的な評価方法を確立していくには基礎データーの蓄積が必要不可欠である。本研究は、このような観点から、凝結融解件用によって劣化したコンクリートの圧縮試験時におけるAE特性を主として実験的に明らかにしたものである。すなわち、凍結融解作用の繰り返しによって順次劣化させたコンクリート供試体の圧縮載荷を行い、その間のAE特性を測定し、動弾性係数、静弾性係数、強度等の指標との関連を明らかにするとともに、同程度の圧縮強度を有する健全なコンクリートから得られた諸特性と比較検討し、劣化コンクリートの内部構造を明らかにしていくための基礎資料を得ることを目的としている。
まとめ
本研究は、圧縮載荷試験におけるAE特性からコンクリートの劣化程度を評価する方法の開発のための基礎資料を得る目的で、凍結融解作用によって劣化したコンクリートの一軸圧縮載荷試験時におけるAE特性を実験で明らかにしたものである。得られた結果を以下に要約し、本研究のまとめとする。(1)コンクリートが凍結融解作用をうけて劣化する場合、弾性係数の低下が先行し、圧縮強度の低下はやや遅れて現れる。また、劣化コンクリートの弾性係数は、同一強度の劣化していないコンクリートと比較してかなり小さい。(2)コンクリート強度が低下するにつれて、また、コンクリートの劣化が進行するにつれて低応力レベルからAEの発生が見られる。(3)凍結融解件用で劣化したコンクリートについて破壊に結び付くAE発生挙動は、同程度の強度を有する劣化していないコンクリートのそれに類似している。(4)凍結融解件用で劣化したコンクリートでは、載荷初期から大量のAE発生が見られ、この傾向は、本実験に関する限り、相対動弾性係数が60%程度まで減少し、圧縮強度がはっきりと低下し始めるあたりから顕著になった。
PDFファイル名 015-01-1143.pdf


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