種別 論文
主題 中空微小球を用いたコンクリートの耐凍害性
副題
筆頭著者 渡辺宏(北海道開発局)
連名者1 堺孝司(北海道開発局)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
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先頭ページ 899
末尾ページ 904
年度 1993
要旨 まえがき
コンクリートの耐凍害性を改善する一般的な方法としてAE剤が用いられている。すなわち、AE剤により所要の空気泡がコンクリート中に連行されると然るべき条件の下では耐凍害性が得られる。しかし、コンクリートの運搬時間の遅延、あるいは内部振動機による過度な締め固めなどの施工上の問題によりコンクリート中の空気泡が逃げ、所要の空気泡が確保されていない場合が考えられる。一方、コンクリートの特性を変えるために用いられる混和剤が空気泡の連行あるいは安定的な確保を困難にすることがある。たとえば、水中不分離性コンクリートに用いられるセルロース系の混和剤には消泡剤が混入されているため、このような混和剤を用いたコンクリートは、良質な空気泡の確保が困難となり、一般に耐凍害性に劣ると言われている。このようなことを背景に、本研究では、通常のAE剤の代わりにプラスチック系の中空微小球を用いた普通および水中不分離性コンクリートの耐凍害性について検討した。
まとめ
本研究の結果をまとめると以下のようになる。(1)HMS添加率が大きくなると普通および水中不分離性コンクリートとも空気量は増加し、圧縮強度は小さくなった。(2)普通コンクリートで水セメント比が55%の場合および水中不分離性コンクリートで水セメント比が45%の場合、それぞれのHMSの添加率を1.2%および0.5%にすると90以上の耐久性指数が得られた。(3)HMSを添加したコンクリートは気泡径が100μm以下の気泡数が増大し、特に50μm以下のものの増大が顕著であった。また、HMSは、耐凍害性を確保するために必要な量をコンクリートに添加しても総空気量の増加が少なく、かつ、気泡間隔係数を小さくすることができる。(4)水中不分離性コンクリートの耐凍害性を連行された空気泡により確保するには、本実験のように耐凍害性に対する悪条件が少ないコンクリートの場合でも多量の空気とそれを連行させるための多量の空気連行剤が必要であり、それより条件の悪い通常の水中不分離性コンクリートでは耐凍害性の確保が困難な場合が多い。これに対し、HMSはその形態から通常の水中不分離性コンクリートの耐凍害性を確保できる可能性を有していると考えられる。
PDFファイル名 015-01-1151.pdf


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