種別 論文
主題 SFRCの土間用コンクリートヘの適用に関する検討
副題
筆頭著者 坂本守(徳島大学大学院)
連名者1 水口裕之(徳島大学)
連名者2 鈴木信(イケダ鋼板)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 953
末尾ページ 958
年度 1993
要旨 はじめに
鋼繊維補強コンクリート(SFRC)は、1973年頃から実用化研究が始められ、舗装材、トンネルライニングなどに利用され、主として無筋コンクリート構造物の機能を高める目的で使われてきた。最近、建築分野においては、工場、倉庫などの土間を中心に利用が検討されている。現在、土間には重量物を積載するものを除いて標準的な配筋をした鉄筋コンクリートが用いられている。一方、近年の土木建設業での人手不足、特に鉄筋工の不足は建設工事全体に大きな影響を及ぼしている。SFRCを土間コンクリートに用いる場合には、鉄筋を使用しなくてもよいと考えられ、この鉄筋工不足の障害を克服できる。また、SFRCは曲げ強度が高く、ひび割れ抵抗性、すり減り抵抗性に優れており高性能な土間とできる可能性も考えられる。SFRCを土間に利用することについては、荷重-ひび割れ幅関係、破壊性状、最大荷重などが調べられており、その結果からSFRC土間は鉄筋コンクリート土間よりも若干すぐれたものができるとの報告がある。しかし、これに関する研究は他には見あたらず実用化するためにはさらに多くの研究が必要である。そこで、本研究は、SFRCを土間コンクリートに適用するために、鋼繊維の混入率、長さおよびコンクリート板厚を要因とし、SFRC、鉄筋コンクリートおよび無筋コンクリート土間の力学的性質について比較し、SFRCの土間用コンクリートへの利用の可否、有効性について検討した。
まとめ
(1)板厚100mmのSFRC供試体は同じ厚さの標準的配筋をした鉄筋コンクリート供試体と比較すると、最大荷重に達した時点でのひび割れ幅が小さい。また、初ひび割れが生じる荷重はSFRCの方が大きく、最大ひび割れ幅0.3mmでの荷重もSFRCの方が50%以上大で、最大荷重でのたわみも小となり、じん性が大きい結果となった。したがって、繊維長30mmまたは50mm、混入率0.5%および1.0%のSFRCは、同じ100mm厚の標準的な鉄筋コンクリート土間よりも力学的に優れたものとなる。(2)板厚85mmのSFRC供試体では鉄筋コンクリート供試体に比較して、初ひび割れ発生荷重はほぼ同じか大きく、最大ひび割れ幅が0.3mmになる荷重は4〜50%大となっている。また、同じたわみでの荷重はほぼ同じか大となり、じん性も若干大きい。したがって、板厚100mmの標準的な鉄筋コンクリートと同じ程度の力学的性質の土間とするには、SFRCでは、板厚を85mm程度に減少させることができる可能性がある。
PDFファイル名 015-01-1160.pdf


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