種別 論文
主題 高流動プレミックスGRCに関する研究
副題
筆頭著者 堀口邦広(秩父セメント)
連名者1 横田博(秩父セメント)
連名者2 鈴木忠彦(清水建設)
連名者3 若宮隆(日本板硝子)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 963
末尾ページ 968
年度 1993
要旨 まえがき
GRC(ガラス繊維補強コンクリート)は、コンクリートの欠点である脆性を改善した複合材料であり、プレキャスト部材としてカーテンウォール、内外装材等に広く使用されてきている。製造方法には、ダイレクトスプレー(吹付け)法とプレミックス(流し込み)法とがあるが、プレミックス法は、ダイレクトスプレー法に比較して強度が劣るものの製造工程が単純であるため製造を合理化できる可能性が大きい。製造を合理化する有力な手段として、流動性の向上が考えられたが、プレミックスGRCの流動性に関する既往の研究としては、三瀬等の研究があるのみで、ほとんどなされていない状況であることから、筆者等は、物性かつ流動性に優れるプレミックスGRCの研究開発を進めている。本研究は、流動性および分離抵抗性に優れるプレミックスGRC(以下、高流動プレミックスGRCと称する)を得ることを目的として、材料、配合、練り混ぜ方法等の製造条件について検討を行ったものである。なお、参考までに硬化後の曲げ強度および乾燥収縮についても検討を行った。
まとめ
本研究の結果をまとめると、次のとおりである。(1)流動性モルタルの練り混ぜ方法、練り混ぜ時間、高性能AE減水剤量およびガラス繊維量について検討した。モルタルの練り混ぜ方法については、セメントペーストを先につくり、混和剤を最後に添加する方法が最もフロー値が大きかった。練り混ぜ時間については、8.5分でフロー値が最大になったが、4.5〜6.5分の練り混ぜ時間で実用上は充分と考えられる。変性リグニン、アルキルアリルスルホン酸系の高性能AE減水剤のGRCセメントを用いた場合の添加量は、2.5%が適当であることが判明した。また、ガラス繊維量については、2.0wt%が最もフロー値が大きかった。(2)分離抵抗性ガラス繊維量の分布状態を調べた結果、普通ポルトランドセメントを使用したプレミックスGRCの場合、板の中央部より離れるに従って、ガラス繊維量のばらつきが大きくなる傾向にあった。高流動プレミックスGRCの場合、板の中央部と流れて広がった部分とでは、ガラス繊維量のばらつきが小さく、繊維の分離抵抗性に優れていることが確認された。(3)硬化後の性質ガラス繊維の長さが6〜25mmの範囲における曲げ強度は、長さが19〜25mmで最大になった。また、乾燥収縮は、低収縮性のGRCセメントを使用することおよび低水セメント比であることより充分小さく、26週で-2.4×10-4であった。以上の結果より、高流動プレミックスGRCは、セメントと水を先に練り混ぜ、混和剤として高性能AE減水剤をセメント重量の2.5%で最後に添加する方法とし、ガラス繊維の長さは19mm、量は2.0wt%とすることが適当である。この条件におけるGRCセメントを使用した高流動プレミックスGRCは、流動性、分離抵抗性、強度および乾燥収縮に優れていることがわかった。なお、本研究は、清水建設(株)、日本板硝子(株)および秩父セメント(株)の三社共同研究開発で実施した研究の一部である。
PDFファイル名 015-01-1162.pdf


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