種別 論文
主題 ガラスおよび炭素繊維における収束剤が繊維-セメントぺースト界面領域の組織におよぼす影響
副題
筆頭著者 五十嵐心一(金沢大学)
連名者1 川村満紀(金沢大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
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先頭ページ 969
末尾ページ 974
年度 1993
要旨 まえがき
繊維-セメントマトリックス界面領域の組織は繊維補強セメントの力学的性質および耐久性に重大な影響をおよぼす。ガラス繊維や炭素繊維などの集束タイプの繊維においては、繊維表面の保護やマトリックスとの付着の確保および取扱い易さ等を考慮して、集束剤が使用されている。繊維補強セメントにおいては、繊維およびマトリックスが同一であっても集束剤が異なると繊維補強セメントの力学的性質は異なる。これは集束剤の相違により界面領域の組織が変化して繊維の付着特性が変化するためと考えられる。しかし、そのような集束剤の影響は、主として、繊維の付着強度試験および繊維補強セメントの強度試験結果から推定されたものであり、具体的に集束剤が界面領域の組織の形成にどのように影響するかについては明らかではない。また、集束剤とアルカリ度の高い細孔溶液との相互作用という観点から特徴的な界面領域が形成されるメカニズムを検討した研究はないようである。本研究は、ガラス繊維および炭素繊維における集束剤の使用の有無および集束剤の種類の相違が繊維-セメントペーストマトリックス界面領域の組織におよぼす影響を微小硬度測定により明らかにし、それらの繊維を使用した繊維補強セメント系複合材料の力学的性質との対応を明らかにする。さらに、集束剤の種類の相違にともなう界面領域の組織の相違を集束剤とセメントペーストマトリックスとの相互作用との関連において考察する。
まとめ
(1)集束剤は繊維-セメントペースト界面領域の組織の形成に影響をおよぼす。集束剤の種数によって界面領域を緻密化する場合と多孔質にする場合とがある。(2)界面領域の組織は連続繊維補強セメントの初ひびわれ後の変形挙動と良く対応しており、緻密な界面領域が形成される場合は初ひびわれ後も荷重は増大してすぐれた靭性を示す。(3)水溶性のポリビニルアルコールはセメントの水和反応を遅延し、これが界面領域を多孔質な状態に維持する原因と考えられる。(4)エポキシ集束炭素繊維のまわりには緻密な組織が形成される。これは硬化剤を添加していないエポキシが細孔溶液中のOH-イオンによって硬化したためであると考えられる。
PDFファイル名 015-01-1163.pdf


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