種別 論文
主題 変形管内を流れるフレッシュコンクリートの流動解析
副題
筆頭著者 渡辺健治(名古屋大学大学院)
連名者1 森博嗣(名古屋大学)
連名者2 谷川恭雄(名古屋大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1049
末尾ページ 1054
年度 1993
要旨 まえがき
ポンプ圧送技術の発展を背景として、コンクリート施工におけるポンプ工法の採用が一般的となっている。最近では、分岐・開閉弁など、配管計画もより複雑となりつつあり、水平・垂直圧送を含めて圧送距離が数百mに及ぶ事例も珍しくない。日本建築学会コンクリートポンプ工法施工指針案によれば、コンクリートのスランプ値と圧送管の径に応じて圧力損失を略算することができるが、この推定法の根拠となっているものは、従来のコンクリートによる実験データであり、近年新しく開発された各種の高流動タイプのコンクリートには通用できない場合が多いことが指摘されている。また、管内を圧送されるフレッシュコンクリートの挙動を模擬材料を用いて可視化する手法が報告されており、圧送管内における流動挙動を理論的に解明するためには、これらのモデル実験や数値解析によって現象を十分に観察・把握しておくことが重要である。筆者らは既に、直管やテーパー管内におけるフレッシュコンクリートの圧送性に関する理論的・解析的研究をいくつか報告してきたが、租骨材の挙動が問題となる、ベント管やテーパー管における流動性状については不明瞭な点が多い。本研究では、固体粒子の運動をトレースできる粘塑性サスペンション要素法(VSEM)を用いて、ベント管およびテーパー管内を流れるフレッシュコンクリートの流動シミュレーションを行った。
まとめ
本研究では、3次元粘塑性サスペンション要素法(VSEM)を用いて、フレッシュコンクリートがベント管およびテーパー管内を通過するときのシミュレーションを行った。ベント部を通過するフレッシュコンクリートの流速は、ベント部の外周側で速くなる傾向を示し、この傾向はベント部の前後の直管部にも及んでいる。きらに、ベント部を通過する際には、管軸方向に垂直な面内での流れ(2次流れ)が顕著となることが明らかとなった。また、テーパー部を通過する粗骨材の流動挙動は、直管部における、マトリックスモルタルのレオロジー定数と粗骨材量の両者による流動速度への影響とは異なり、マトリックスモルタルの性質よりも粗骨材量の影響が顕著になることが明らかとなった。本解析は定常流を扱った静的解析である。実際には、ポンプの脈動運動のため、コンクリートの瞬間流速はさらに大きくなり、この効果を解析的に検討する必要がある。今後、これらを考慮した動的な解析を行い、さらに研究を進める予定である。
PDFファイル名 015-01-1177.pdf


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