種別 論文
主題 鉄筋の節形状とコンクリート強度が付着性状に及ぼす影響
副題
筆頭著者 木村秀樹(竹中工務店)
連名者1 J.O.Jirsa(テキサス大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 117
末尾ページ 122
年度 1993
要旨 はじめに
異形鉄筋の節形状に関するJIS(Japanese Industrial Standard)あるいはASTM(American Society for Testing and Materials)の規定は30年以上も前の研究に基づいており、今日使用されているコンクリート強度は、鉄筋節形状が規定された当時の2〜3倍以上にもなっている。高強度材料を有効に利用しようという意図から、構造部材の断面は小さくなり配筋は混みあうようになってきた。このような部材では鉄筋の周囲のコンクリートの割裂が大きな問題となってくる。本研究は定着長さの低減を可能とするような異形鉄筋の最適な節形状を開発すること、そして高強度コンクリートと鉄筋の付着に関する基礎データを得ることを目的として行なった鉄筋の引き抜き試験について述べるものである。
まとめ
鉄筋の節形状とコンクリート強度が付着性状に及ぼす影響を調べるために、コンクリート強度と異形鉄筋の節高さ及び節間隔を変数とした引き抜き試験を実施した。ここで用いた試験体は実際の梁や柱の中の鉄筋とコンクリートの付着状態を模擬しているとは言えない。従って、ここで得られた試験結果は、節形状の影響やコンクリート強度の影響について相対的な比較に用いられるべきであることを明記しておく。以下に得られた結果をまとめて示す。1)付着応力〜すべり曲線の平均付着応力度と初期剛性はコンクリート強度が40及び80MPaの場合鉄筋の節間隔が小さくなるほど増大した。しかし、この傾向はコンクリート強度が120MPaの場合には明らかではなかった。2)付着応力〜すべり曲線の平均付着応力度と初期剛性は鉄筋の節高さが大きいほど増大した。この傾向は、コンクリート強度が高いほど強かった。3)付着応力〜すべり曲線において試験体に割裂が生じたと推定される点、すなわち急激に剛性が低下し、すべり量が急増する点の応力度は、コンクリート強度に関わらず鉄筋の節高さ、節間隔にほとんど影響されなかった。4〕コンクリート強度に関わりなく、鉄筋の節高さ/節間隔比(h/1n)が大きくなるほど、すなわち支圧面積が大きくなるほど平均付着応力度と初期剛性は増大した。しかし、この傾向は(h/1n)が0.2程度までであって、この値を超えた場合これらの値は頭打ちになる傾向がみられた。5)コンクリート強度が120MPaまでの範囲では、付着応力〜すべり曲線の平均付着応力度、初期剛性割裂が生じるときの応力などはコンクリート強度の平方根にほぼ比例した。6)支圧面が鉄筋軸となす角度が45度以上の鉄筋の付着性状はほとんど同一であるが、30度になると付着応力〜すべり曲線の初期剛性は減少した、7)市販鉄筋と同一の節形状を有する切削加工鉄筋の付着応力〜すべり曲線は市販鉄筋とほぼ同一であった。すなわち、同一の節形状を有すれば、切削加工鉄筋と市販の圧延鉄筋は同一の付着性状を示すと考えられる。
PDFファイル名 015-01-2019.pdf


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