種別 論文
主題 鋼管、H形鋼の付着強度に及ぼすコンクリートの拘束効果について
副題
筆頭著者 佐藤政勝(川崎製鉄)
連名者1 田中祐人(川崎製鉄)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
2
先頭ページ 183
末尾ページ 186
年度 1993
要旨 はじめに
コンクリートに埋め込まれた鋼板の付着強度は、周囲コンクリートとの粘着力およびコンクリート面の摩擦力とからなる。これらの粘着力と摩擦力は、鋼材自身の表面粗度に左右されるが、コンクリートで囲まれた拘束効果による影響が支配的である。形状が偏平な鋼板は2方向からの拘束力を期特できないことから、その最大付着強度(以下τBで表示)は丸鋼のそれに比べ小さくなる傾向がある。コンクリートに埋め込まれた鋼板の付着特性については若林の一連の実験研究により定性的に把握される一方、鋼板のコンクリートの摩擦係数として、側圧力下における押抜き試験を実施した薯者らの実験から0.75が、また引き抜き試験を実施した園田らの実験からO.6が提案される等ほぼ解明されているが、形鋼、鋼管の付着特性については形鋼の形状や寸法およびコンクリートの充填や被覆の状態などの影響を受けるため、付着強度に対する定量的な評価式の提案までに至っていない。ここでは、鋼管とH形鋼の押抜き試験により鋼管内面とH形鋼周面の最大付着強度(以下τmaxで表示)はコンクリート接触面積(以下Abで表示)に左右されること、またH形鋼のτmaxはフランジのかぶり厚さ(以下Cで表示)にも大きく影響されることを明らかにしたうえで、Cとフランジ幅(以下Bで表示)の比をパラメータとしたH形鋼のτmaxの評価式を提案し、埋め込まれたH形鋼の付着強度に及ぼすコンクリートの拘束効果について考察する。
まとめ
鋼管の供試体2組6体、H形鋼の供試体5組15体の押抜き試験による実験研究の成果及び鋼板の付着特性に関する既往の研究成果を考察することにより、次のように示すことが確認された。(1)鋼管内面のτmaxはAbの増加に比例して減少する傾向がみられ、φ269mmのτmaxは8.1kgf/cm2、φ610mmに対し3.9kgf/cm2であって、τmaxの1/3をτaの目安とするとそれぞれ2.7kgf/cm2、1.3kgf/cm2となり、現行建築学会規準のτa=1.5kgf/cm2は小径管に対しては余裕のある値であるが、φ600mm以上の鋼管に対しては若干であるが危険な値である。(2)H形鋼のAbが増加すると、その最大付着応力は減少する傾向がみられ、小型H形鋼のτmaxは9kgf/cm2程度、大型のτmaxは2.6kgf/cm2であって、τmaxの1/3をτaの目安とするとするそれぞれ3kgf/cm2、0.9kgf/cm2となり、現行建築学会規準のτa=4.5kgf/cm2は相当危険側の値を示し、τaの見直しが必要である。(3)H形鋼の最大付着応力の評価式として、τmax=0.05・σB・C/Bを提案する。また、この評価式が適用可能な場合、フランジ周面に(σB/15)・(C/B)の拘束応力をコンクリートから受けていることが推察できる。
PDFファイル名 015-01-2030.pdf


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