種別 論文
主題 ファイバーモデルによるRC短柱と十字型部分骨組の解析
副題
筆頭著者 鈴木紀雄(鹿島建設)
連名者1 井上範夫(鹿島建設)
連名者2 森川博司(鹿島建設)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 577
末尾ページ 582
年度 1993
要旨 はじめに
既往のRCフレームの弾塑性解析で多用されてきた材端弾塑性バネモデルなどでは、実験式などによって復元力特性を予測しておく必要がある。しかし、例えば、高強度材料を用いた部材の降伏点剛性の実験値が菅野式から外れることが多いという指摘もあるように、適用範囲を越えた部材に実験式を使用すると問題が生じることがある。材端弾塑性バネモデル以外の弾塑性解析モデルの一つとして、ファイバーモデルがあげられる。このモデルには、部材寸法や配筋、及び材料の1軸の応力-歪関係(「σ-ε関係」)が与えられれば、部材の弾塑性挙動を求めることができるという特徴がある。これまでファイバーモデルは主に柱部材に使われてきたが、梁部材にも適用することにより、実験データ等から復元力特性を予測することが難しい部材から成るフレームの解析も可能になると考えられる。ただし、ファイバーモデルは基本的には曲げ変形を扱うものなので、シアスパン比が小さくせん断変形を無視できない部材や、定着部からの主筋の抜け出しによる変形量が大きい部材に適用した場合には、変形を過小に評価してしまうという問題がある。これらを厳密に考慮した解析も可能であろうが、フレーム解析を行うには、計算時問等の都合から簡易なモデルが望ましい。本論では、新たに開発したせん断変形と主筋の抜け出しを簡略な方法で考慮できるファイバーモデルの概要と、これを適用したRC短柱、及び十字型部分骨組試験体の解析について述べる。
まとめ
せん断変形や主筋の抜け出しの影響を考慮できるファイバーモデルを開発し、RC短柱と十字型部分骨組の解析を行った。短柱の解析では、定軸力を受けるものと変動軸力を受けるものを対象としたが、いずれも荷重-変形関係を良好にシミュレートする事ができた。十字型試験体の解析では、梁主筋の接合部からの抜け出し量、梁の全変形や主筋抜け出しによる変形をシミュレートできた。また、全体の荷重-変形関係のスケルトンの対応も良好であった。繰り返しループ形状は、最大耐力に達する1/50程度までは実験結果と良く一致したが、これ以上の変形時には実験で生じた接合部の破壊の進展を表現できなかったため、実験結果に現れたピンチング性状を表すことができなかった。ただし、実際の設計では、地震応答時の層間変形角は最大1/100程度になるように設計されるので、この範囲でフレームの挙動を予測できる解析は、実用的には十分に役立つものと考えられる。
PDFファイル名 015-01-2097.pdf


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