種別 論文
主題 プレキャスト床版の接合部付近の押抜き強度に関する研究
副題
筆頭著者 三原弘士(山口大学大学院)
連名者1 阿部宗人(ピー・エス)
連名者2 浜田純夫(山口大学)
連名者3 兼行啓治(山口大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 619
末尾ページ 624
年度 1993
要旨 はじめに
柱とスラブの結合部やフーチング、さらに道路橋鉄筋コンクリート床版に集中荷重が作用する場合には、押抜きせん断破壊と呼ばれる局部破壊を生ずることがある。現在、コンクリート標準示方書やACIビルディングコードにおいては、スラブの押抜きせん断耐力算定式は、基本的にはりのせん断耐力算定式と同様に扱われているが、スラブは面的な広がりをもつため破壊に影響する要因は、はりのせん断破壊に比べて極めて複雑であり、また異なった様相を示す。破壊に影響するすべての要因を考慮するのは大変困難であるため、コンクリート標準示方書の耐力算定式は決して十分なものとはいえない。また、荷重域近傍に開口部や自由縁が存在する場合については、押抜きせん断耐力の低下を考慮する方法は示されてはいるが、これに対する研究もいまだ不十分でさらに研究が必要であると思われる。さらに、最近のプレキャスト化に伴い、道路橋床版などでPCスラブが頻繁に使用されるようになったが、このPCスラブの継目部や鉄筋コンクリートスラブの打ち継目近傍に集中荷重が作用する場合における押抜きせん断破壊に関する研究は、ほとんど行われていない。そこで本研究では、普通のスラブ、自由端をもつスラブ、継手を有するスラブをモデル化し、鉄筋コンクリートスラブおよびPCスラブについて押抜きせん断に対する実験的な研究を行い、コンクリート標準示方書の耐力算定式を基に実験結果との適合性のよい耐力算定式を検討したものである。
まとめ
本研究では、5種類のスラブにおける押抜きせん断試験を行い、その耐力算定式について検討を試みた。以下に得られた緒論を要約する。1)一般にスラブの押し抜きせん断破壊は載荷板周辺部から約45°の角度でピラミッド状のコーンを形成するように破壊するとされているが、本実験では約25°〜30°の角度をなし危ドーム状の破壊面を形成していた。2)設計断面の設定が耐力算定式に大きく影響を与えており、下記に示すように周長upにせん断スパン比L/dを考慮にいれた係数(1+d/L)を用いることにより、より実験値に近い値を得ることができた。upは次式で与えられる。up=2a+2b+(1+d/L)πd。3)荷重域近傍に自由縁が存在する場合には、コンクリート標準示方書に示された方法に、さらにupおよび面内力に対する修正を行うことによって実験値に近い値を得ることができる。4)荷重域近傍に接合部が存在する場合には、upを減少させることにより、実験値に近い値を得ることができる。また、プレキャスト床版のPCスラブにおいても提案した修正によって実験値に近づくことがわかる。
PDFファイル名 015-01-2104.pdf


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