種別 論文
主題 プレストレス導入時の曲面版の挙動について
副題
筆頭著者 後藤仁(山口大学大学院)
連名者1 高海克彦(山口大学)
連名者2 浜田純夫(山口大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
2
先頭ページ 835
末尾ページ 840
年度 1993
要旨 はじめに
近年、プレストレスコンクリートは高強度コンクリート、高張力鋼材などの材料的な進歩や、また施工技術の革新によって薄肉化され、長大化の傾向をみせている。橋梁分野だけをみても、その適用支問は400mを越え、その構造にはコンクリート断面を薄くし、軽量化を可能とする箱桁構造が多くみられる。また箱桁はねじり剛性が大きい点から、曲線構造を持つ橋梁に多く採用されている。PC曲面部材はこの他、各種容器、トンネル、消波堤などその使用範囲は広く、今後これらの構造において、さらなる長大化、経済性を追求していく上で、コンクリート部材の薄肉化は更に進められるであろう。しかしながら、薄肉化されたPC版にプレストレスを導入した場合、従来のプレストレスの目的である、軸力のみならず、曲率を有することによるPC鋼棒の腹圧の作用も、その挙動に大きく影響し、複雑な挙動を示すと考えられる。本研究では、PC簿肉曲面版供試体へのプレストレス導入試験を行い、また解析値との比較からその挙動特性を検討したものである。
まとめ
1)薄肉化されたPC曲面版にプレストレスを導入した場合、シースを定位置に配置した場合でも、鋼棒の直径とシースの内径程度の偏心、およびPC鋼棒とコンクリート間の摩擦が、その挙動に大きな影響を及ぼすと考えられる。特にその薄肉化された厚さ方向に対しては、供試体作成時の誤差により、過大なひずみが発生することも考えられる。2)円筒版のように、曲率方向に厚さの薄い版では、シース内のPC鋼棒の偏心、および摩擦により、曲面の内側のコンクリート面に圧縮応力が集中し、またPC鋼棒の腹圧による断面変形もともない、特にPC鋼棒に沿った面では、PC鋼棒からの腹圧により、場合によってはコンクリートのひび割れを生じる危険性がある。3)扇形版のタイプでは、摩擦による影響は小さく、図心にシースを配置し走場合には、その軸方向ひずみは、幅方向に均等で、厚さ方向の偏心により、表裏に一定のひずみ差がみられる。幅方向に偏心させた場合でも、強軸まわりのモーメントのみならば問題はないが、これに厚さ方向の偏心による、弱軸回りのモーメントが加わった場合、2軸曲げとなり、その断面では局部的なひずみを生じる危険性がある。
PDFファイル名 015-01-2141.pdf


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