種別 論文
主題 締結式ボックスジベルのせん断耐力に関する研究
副題
筆頭著者 久野公徳(ピー・エス)
連名者1 中村修(ピー・エス)
連名者2 松下博通(九州共立大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
15
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先頭ページ 1061
末尾ページ 1066
年度 1993
要旨 まえがき
近年、交通量の増大、車両の大型化による荷重増にともない既設の鋼道路橋においてコンクリート床版の劣化事例の増加が見受けられる。これら鋼道路橋の床版コンクリートの損傷、劣化に対する補修補強工法としてプレキャストコンクリート床版を用いた全面打ち替え工法がある。この工法では、プレキャスト床版と鋼桁との結合方法として、著者等は、ねじ式によって不陸調整ができ、鋼桁とプレキャスト床版を溶接にて緒合するボックスジベルを開発し、その性能や合成効果について検討して来たが一定の成果を得ることができた。しかし、鋼桁とプレキャストコンクリート床版とを溶接結合する不陸調整可能なボックスジベルの施工には、高度な現場溶接技術が必要であり、しかも溶接の晶質管理手法にめんどうを要する。従って、本研究はこれらの問題を解消するためねじ締結式に改良した締結式ボックスジベルを考え、押し抜きせん断タイプ供試体により、静的ならびに動的試験を実施し、せん断耐力を明らかにしようとするものである。
まとめ
締結式ボックスジベルを用いた押し抜きせん断タイプの供試体により静的載荷試験及び疲労試験を実施した結果を要約すると次のとおりである。(1)静的せん断試験により締結式ボックスジベルの一本当りの破壊せん断力Sは以下のとおりである。SS41:S=27.9tf(平均せん断応力度τs=2628kg/cm2)S35C:S=26.6tf(平均せん断応力度τs=3000kg/cm2)(2)静的載荷による荷重-ずれ曲線の挙動は、S=7.5tf(SS41:τs=700kg/cm2、S35C:τs=850kg/cm2)までは、ほぼ弾性的な挙動を示す。また、SS41ではS=15.6tf(τs=1470kg/cm2)、S35CでS=10.2tf(τs=1150kg/cm2)以上において載荷時のずれ量が、除荷してもそのまま残留し、ずれ量が増大する。このことより、締結式ボックスジベルの弾性限界におけるジベルのせん断応力度はSS41:τs=700kg/cm2、S35C:τs=850kg/cm2また、ずれ限界のせん断応力度はSS41:τs=1470kg/m2、S35C:τs=1150kg/cm2程度と考えられる。よって、締結ボルトとして、SS41の材質使用の場合が、S35Cと比較し、じん性に富み、ずれ限界時のせん断応力度も大きく、合成効果があり、力学的に有利であると考えられる。(3)せん断疲労試験による繰返し固数-ずれ曲線より、繰返し荷重によるずれ量の変化はなく、残留ずれ量の増大は認められずほぼ一定である。(4)せん断疲労試験結果より、いずれの供試体ともずれ速度の増大はなく、200万回最大疲労繰返し試験終了後においてもずれ量の増加はなくせん断ずれ破壊は認められない。以上より、改良前のボックスジベルの合成結果はすでに実験及び実構造物において十分滴足のいく成果を得ているが、ボックスジベルの溶接晶質保証と施工性の改善を目的に締結式ボックスジベルについて静的および動的に載荷を行ったが、ジベルのせん断応力度の低下はなく、疲労繰返し試験終了後でも、ボックスジベルのような大巾なずれ増加およびせん断ずれ破壊はなく、じん性に富み、終局の合成効果は改良前のボックスジベルより高く、技術的に安全かつ施工性にすぐれたジベル構造である。
PDFファイル名 015-01-2179.pdf


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