種別 論文
主題 途中定着を有する鉄筋コンクリート橋脚の耐震性に関する研究
副題
筆頭著者 飯田寛之(建設省)
連名者1 山口隆裕(横浜国立大学)
連名者2 池田尚治(横浜国立大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1107
末尾ページ 1112
年度 1993
要旨 まえがき
昭和53年の宮城県沖地震や昭和57隼の捕河沖地震では、鉄筋コンクリート橋脚の柱の中間部に大きな損傷が生じた道路橋がある。損傷は橋脚の軸方向鉄筋の本数を橋脚に作用する曲げモーメントに合わせて途中で減らした部分(以下途中定着部という)で生じている。途中定着する鉄筋の定着長が十分でなかったために、ここが弱点となったのである。このような経験から昭和55年以降、道路橋示方書やコンクリート標準示方書(これら2つを含めて以下示方書ともいう)では、途中定着については軸方向鉄筋の定着長を十分確保することなどの対応が図られた。しかし、これ以前の示方書に墓づいて設計された既存の鉄筋コンクリート橋脚のうち、途中定着部を有するものについては、地震時の安全性について検討することが必要である。本研究は、途中定着を有する鉄筋コンクリート橋脚の地震時の挙動を橋脚模型を用いた静的識荷実験及び準動的載荷実験により把握し、十分な定着を有する橋脚については、その安全牲を確認するものである。また、準動的載荷システムに組み込まれた動的映像録画装置を用いて橋脚の動的応答挙動の映像シミュレーションを行い、視覚的な面からも検討するものである。
まとめ
本研究をまとめると以下の通りである。1)軸方向鉄筋の途中定着部を有し定着余長を持たない鉄筋コンクリート橋脚模型の耐力は、静的正負交番載荷実験の結果、荷重は降耐力に達しないことが確認された。損傷の進展は途中定定着部の連続鉄筋が先に降伏して、変形もその部分に集中し、基部が降伏することなく徐々に耐力を失った。2)55年以降の示方書に準拠して製作した橋脚模型では、十分な耐力が得られ、途中定着による悪影響は、静的載荷実験及び準動的載荷実験の双方において現われなかった。3)定着余長を持たない供試体の静的載荷実験と準動的載荷実験の損傷を4δyで比較すると静的載荷実験の方が顕著に悪影響が現われた。4)途中定着を有する橋脚模型において途中定着余長を持たない供試体は、静的載荷実験では降伏変位の4倍の変位を載荷するまでは急激な体力の低下はなかった。これは、示方書の構造細目に従い帯鉄筋の間隔を計算上の1/4程度としたため、せん断補強を十分に行えたことが理由と考えられる。5)動的載荷映像録画システムにより途中定着を有する橋脚模型の地震時挙動を視覚的に生起することができた。動的載荷映像録画システムは、再生によりくり返し観察することも容易である。そのため途中定着位置に破壊を受けた場合の基部と途中定着部の挙動が細かく観察できた。6)炭素繊維シートによる補強は、静的載荷試験と準動的載荷試験のどちらの実験についても十分な効果が得られた。
PDFファイル名 015-01-2187.pdf


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