種別 報告
主題 混式細粒化セメントのECL工法用コンクリートへの適用性の検討
副題
筆頭著者 ソウ田充(鉄建建設)
連名者1 井筒庸雄(電源開発)
連名者2 岩渕丞(開発工事)
連名者3 山田雅稔(サンフロー)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 363
末尾ページ 368
年度 1993
要旨 はじめに
シールドの掘進と並行して、コンクリートを加圧された状態で直ちに打設し地山に密着した覆工を連続的に形成していく形式のECL工法では、高流動で分離抵抗性があり、かつ内型枠脱型のために早期に強度が発現するコンクリートが要求される。そのため、早強セメントを用いることにより早期に高強度を発現させているが、発熱量が大きくなる傾向があり、新しい結合材の開発、利用が待たれている。既往の研究により、湿式粉砕した普通セメントを用いて早期強度の発現性がよいコンクリートが得られることが知られている。一方グラウト工事用として開発された湿式細粒化セメントもスラリー状の微粒セメントであり、これを高濃度で製造すればコンクリート融合にも用いることができ、製造過程で高性能減水剤を併用すれば高い流動性を付与することができると考えられる。特に、上記のECL工法用コンクリートに用いた場合、早期強度の発現性が良く、従来配合と同程度の強度発現を有する配合にした場合は単位セメント量を低減できて、発熱に対して有効な対策となることが期待される。また、必要量だけ現場で製造できるという利点がある.本報告は、上記のECL工法用コンクリート(以下、ECLコンクリートと略す)に対する湿式細粒化セメントの適用性について、配合試験、ポンプ圧送試験、実機モデル打設実験を行い検討したものである。
まとめ
湿式細粒化セメント(WMC)は、コンクリート配合に用いた場合には高い流動性の付与が可能であり、早期強度の発現性にもすぐれていることが確かめられた。さらにECLコンクリートへの適用性を検討した結果、以下の点が明らかとなった。1)覆工コンクリートの温度履歴の測定結果では、寒中打設のため冷却効果が大きく、並行して行った簡易断熱温度上昇試験の測定結果ほど顕著な温度の低減効果は現れていないが、覆工体の最高温度は3℃程低減され、温度の下降も早まる傾向が見られた。2)材令1日における圧縮強度100kgf/cm2以上の要求性能は十分クリアできた。3)乾燥収縮に関しても、従来配合よりも低減できると考えられる。4)実施工にあたっては、1)湿式細粒化装置(マイクロミル)のミルスケールの相違によるWMCの粘性のばらつき2)骨材の粒度分布のばらつき3)WMCを製造してからコンクリートを練混ぜるまでの時間などに不安定要素があり、所要のコンクリートの性状を安定して確保するには今後さらに検討を要する.今後の研究では、以上の影響を把握するための実験をさらに行って配合設計上の資料を得ると共に、WMCプラントを従来のコンクリートプラントに組み入れるための、一連のシステムを開発していく予定である。
PDFファイル名 015-02-1060.pdf


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