種別 報告
主題 沖縄における鉄筋コンクリート建築構造物への電気防食法の適用
副題
筆頭著者 川俣孝治(住友セメント)
連名者1 大城武(琉球大学)
連名者2 成底佐一郎(琉球大学)
連名者3 峰松敏和(住友セメント)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 749
末尾ページ 754
年度 1993
要旨 はじめに
電気防食法は、コンクリート中の鋼材の腐食反応に直接関与し抑制する防食法として近年注目され、コンクリート構造物への適用例や各種実験結果等の報告も増加している。しかしながら、これまでの我が国での電気防食法の適用例を見ると、桟橋や道路橋などの土木構造物を対象としたものが大部分であり、塩害により劣化した建築構造物を対象とした補修工法の検討は、電気防食法のみに限らず、他の補修工法も含め、土木構造物に比して少ないのが現状である。一方、全体が飛来塩化物による影響を受ける沖縄県においては、海洋構造物のみならず、一般の陸上建築物においても塩害による構造物の劣化が非常に深刻な問題であり、その抜本的な対策が望まれている。以上の様な現状に鑑み、温度的にも腐食が侭進される環境にある亜熱帯に属し、海砂の使用や飛来塩化物による塩害が大きな問題となっている沖縄県の鉄筋コンクリート建築構造物への電気防食法の適用を試みている。本報告は、この建築構造物への電気防食法の適用事例によって得られた、その施工性や通電による鋼材の分極特性、通電後の鋼材電位の挙動等について報告するものである。なお、電気防食の方式としては、チタンメッシュを陽極とした外部電源方式である。
まとめ
建築構造物への電気防食法の適用性を検討するため、厳しい腐食環境下にある沖縄の鉄筋コンクリート建築構造物にチタンメッシュを陽極とする外部電源方式による電気防食法を試験的に施工し、その施工性、通電試験等による防食電流量などについて検討した。その結果、以下に示すような知見が得られた。1)ポリマーセメントモルタルによる断面復旧やオーバーレイ層の形成は、防食電流密度を大幅に増加させ、電気防食システム自身の耐久性を低下させる可能性もあるため、その使用にあたっては、十分に注意する必要がある。2)同一構造物でもコンクリートの環境により分極特性が異なるため、施工時に可能な限り防食回路を区分することが望ましい。3)防食電流密度は、これまでの適用例に比べ大きくなるが、通電の継続とともに徐々に減少する傾向にある。4)チタンメッシュを陽極とする外部電源方式は、環境の変化に応じた通電が可能であり、陽極の耐久性も優れているため、その適用は効果的である。なお、今回の報告は通電後約16か月までの結果であり、今後さらに本施工例の追跡調査を継続するとともに、同時に暴露供試体による防食効果の確認等も実施する予定である。
PDFファイル名 015-02-1125.pdf


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