種別 報告
主題 溶射によるコンクリートの表面仕上げに関する基礎的検討
副題
筆頭著者 長尾覚博(大林組)
連名者1 小川晴果(大林組)
連名者2 斉藤裕司(大林組)
連名者3 中根淳(大林組)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1091
末尾ページ 1096
年度 1993
要旨 はじめに
近年、各種の材料を用いる溶射技術が開発され実用に供されている。一方、建築構造物のニーズの多様化に伴い、コンクリート表面に対して美観の改善および耐久性をはじめとする性能の向上が求められている。このような状況から、溶射によってコンクリート表面に皮膜を形成し、これらのニーズに対応する新しい仕上げ技術の可能性について検討するため、現場打ちおよびプレキャストコンクリート部材に適用可能な溶射技術を選択し、溶射によって形成される皮膜の基本特性について調査した。
まとめ
溶射皮膜の基本特性について調査した結果、以下の点が指摘される。1)フレーム、アーク、プラズマ各溶射方法によりコンクリート面に金属、セラミックなどの皮膜の形成が可能であることを確認した。2)皮膜厚は溶射方法および溶射材料により差が生じ、同一溶射材料では、フレーム溶射がアーク、プラズマ溶射に比較して膜厚が大となり、かつ融点の低い材料ほど膜厚は大となる傾向がある。3)溶射によるコンクリートの熱劣化は溶射粒子が直接コンクリートに溶着する場合でも殆どないと判断される。4)金属皮膜による仕上げの場合には、皮膜の形成状態および施工能率等を考慮するとフレーム溶射が最適と判断される。5)今回の実験のようにコンクリート下地に直接溶射皮膜を形成しても10kgf/cm2程度以上の接着強度は得られそうであるが、皮膜厚が増すと接着強度は低下する傾向が認められるため、皮膜厚を増大しても接着性を確保できる下地処理方法等を検討する必要がある。6)溶射皮膜はポーラスなためコンクリート下地からの水分および外気から皮膜への影響を遮断し、耐久性を向上させるための下地処理および表面処理が必要と考えられる。7)溶射技術が新しいコンクリートの仕上げ方法として適用可能なことを確認できたが、実構造物への適用を図るためには、さらに下記の点について検討する必要があると考える。1)皮膜の耐候性に関する検討。2)コンクリート下地からの水分を遮断し、十分な接着性を得るための下地処理方法の検討。4)金属皮膜による仕上げの場合、研磨仕上げに必要な皮膜厚および所要接着強度の検討。5)下地コンクリートのひび割れによる皮膜の破断防止方法。6)レリーフを形成したコンクリートヘの適用方法の検討。7)各種溶射材料の色調、テクスチャーの検討。
PDFファイル名 015-02-1184.pdf


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