種別 論文
主題 特殊増粘剤を混入した高流動コンクリートの性状に関する基礎的研究
副題
筆頭著者 牛島栄(青木建設)
連名者1 谷口秀明(青木建設)
連名者2 其阿弥喜嗣(国土総合建設)
連名者3 立石彬(三菱ガス化学)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 135
末尾ページ 140
年度 1994
要旨 1.はじめに
 近年、コンクリート工事の省力化および構造物の信頼性向上を目的として高流動コンクリートの研究開発が盛んに行なわれている。高流動コンクリートは、相反する性質である流動牲と材料分離抵抗牲を持ち、複雑な形状や密な配筋の構造物に対しても密実に充填できることを特徴としている。流動性を付与するために高性能AE減水剤を用いる一方、高炉スラグ微粉末やフライアッシュ等の粉体を多量に使用し、富配合とすることで材料分離抵抗性を向上させる方法が既往の文献では一般的である。しかし、この方法では結合材量がかなり多くなり、発熱による温度ひびわれが懸念されることや実強度が設計強度を大きく上回ることなどから、粉体以外で粘性を得る方法として各種増粘剤を用いた高流動コンクリートの開発が盛んである。増粘剤は材料分離抵抗性を付与するだけでなく、製造プラントにおける砂の表面水率の変化に対する材料分離抵抗牲の変化をも緩和できるなどの利点から、結合材量と増粘剤添加量を調整して高流動コンクリートを得るケースが多くなっている。
 しかし、高流動コンクリートの各種材料の選定方法、配合設計手法、あるいは流動特性を評価する試験方法は未だ十分に確立していない。また、高流動コンクリートに使用する各種結合材や増粘剤が、硬化コンクリートの性状に与える影響について記述した文献も少ない。
 そこで、筆者らは、新しく開発中の特殊増粘剤を使用した時の、結合材の種類、水結合材比、練混ぜ時間および砂の表面水率が、コンクリートの流動性状、硬化前の性状および硬化後の性状に与える影響について検討した。
7.まとめ
 本実験の範囲より以下の結果が得られた。
1)特殊増粘剤の最適な練混ぜ時間としては通常の増粘剤と同じく3分程度とし、その使用量は0.5%〜1.0%の範囲である。
2)特殊増粘剤の使用量は、高性能AE減水剤の使用量や結合材の種類および水結合材比によって異なる。
3)特殊増粘剤の使用が凝結時間に及ぼす影響は小さい。
4)特殊増粘剤を単位水量に対し重量百分率で0.5%〜1.0%使用することにより、スランプフロー700mm以上でも材料分離を示さず、良好な高流動コンクリートを得ることができる。
5)断熱温度上昇量は特殊増粘剤の使用に影響されず、結合材の種類や水結合材比に支配される。
6)特殊増粘剤の使用は、圧縮強度、引張強度の発現性状に悪影響を与えない。
 今後は、さらに特殊増粘剤を用いた高流動コンクリートの耐久性に関しても検討を行っていきたい。
PDFファイル名 016-01-1020.pdf


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