種別 論文
主題 自己充填コンクリートの充填性に及ぼす粗骨材特性の影響
副題
筆頭著者 松尾茂美(東京大学)
連名者1 小澤一雅(東京大学)
連名者2
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 165
末尾ページ 170
年度 1994
要旨 1.はじめに
 自己充填コンクリートは、バイブレータ等を用いて振動締固めを行うことなく、自重で生じる圧力勾配によって流動し、型枠の隅々にいたるまで充填する特徴を有しており、この性質が、施工状況に左右されず密実なコンクリートの打設を可能にしている。
 自己充填コンクリートの普及、実用化のためには、その配合設計法の確立が必要である。粗骨材は、コンクリート中で最も大きい粒径をもつ粒子であり、コンクリートの流動牲や充填性に及ぼす影響は大きい。自己充填コンクリートの配合設計を確立するためには、その品質特性が、充填性に及ばす影響を定量的に把握する必要がある。
 本研究は、粗骨材の形状や粒度分布および粗骨材量が、自己充填コンクリートの充填性に与える影響を明らかにすることを目的として、コンクリートの充填性に関する実験を行い、粗骨材特性の影響を定量的に評価することを試みた。
6.結論
 本研究は、粗骨材の形状や粒度分布および粗骨材量が、自己充境コンクリートの充填性に与える影響を明らかにするため、コンクリートの流動性および充填性に関する実験を行った。
 その結果、以下の知見が明かとなった。
(1)本研究で使用した形状および粒度分布の異なる最大寸法20mmの5種類の粗骨材の場合、相対粗骨材容積比を50%とすると良好な自己充填性を実現することが可能であることが示された。
この値は、モルタル中に含まれる細骨材量が多少増加しても急激には、充填性が低下しないと考えられる量である。
(2)粒度分布を同一としても、実積率が異なる砕石を使用すると、同一の配合のモルタルと同一容積の粗骨材とを組み合わせたコンクリートの間隙通過性および充境性は、異なることが示された。
(3)通過する間隙が比較的緩やかな条件でモルタルの配合が同じ場合、粗骨材の粒度および形状が異なっても、粗骨材の実積率に相当する容積に対するコンクリート中の粗骨材容積の比率(相対粗骨材容積比)を同一とすれば、間隙通過性がほぼ同一の自己充填コンクリートを実現することが可能であることが示された。ただし、ロート口幅が5.5cm等の間隙通過が厳しい条件においても精度良く評価するためには、実積率を求める際に、粗骨相粒子の容器への充填方法や粗骨材粒子の大きさと容器の大ささの関係等の改善を図り、コンクリート中の粗骨材粒子の受ける境界条件に近い状況を再現することが有効であることが示された。
 今後は、最大寸法および他の粒子との相互影響を含め、粗骨材が、充填性に及ぼす影響をさらに一般的に評価することを進めたい。
PDFファイル名 016-01-1025.pdf


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