種別 論文
主題 高流動コンクリートの硬化後の品質に及ぼす蒸気養生の影響
副題
筆頭著者 庄司 芳之(日本国土開発)
連名者1 竹下治之(日本国土開発)
連名者2 佐原 晴也(日本国土開発)
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
16
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先頭ページ 195
末尾ページ 200
年度 1994
要旨 1.はじめに
 近年、高流動コンクリートに関して各所で研究開発が盛んに進められているが、その有効な適用対象の一つに、製造時の振動締固めに伴う騒音の軽減、省力化、品質の向上などが要求されているコンクリート二次製品がある。著者らは、増粘剤と高性能(AE)減水剤を添加した高流動コンクリート(以下、S Fコンクリートと略称)をコンクリート二次製品に適用し、その有用性を確認している。しかし、一般に、高流動コンクリートは高性能減水剤を多めに使用するため、凝結が遅延する傾向にあり、コンクリート二次製品製造時の蒸気養生方法(前置き時の温度、前置き時間、養生温度の上昇勾配など)が不適切な場合、硬化後の品質が損なわれる危険性がある。
 本報では、SFコンクリートを用いてコンクリート二次製品を製造する場合、強度や耐凍害性などを損なうことなく製造可能な配合条件および蒸気養生方法について実験的検討を行ったが、その結果を報告する。実験は、まず強度および気泡分布を検討するシリーズIを実施し、続いて、その結果をもとに数種類の養生パターンを決定し凍結融解試験を含めたシリーズIIを実施した。
以下、これらの実験の内容および結果について報告する。
4.まとめ
 S Fコンクリートを用いてコンクリート二次製品を製造する場合の、適切な蒸気養生方法について検討を行った。その結果、蒸気養生がS Fコンクリートの硬化後の品質に及ぼす影響について、以下のことが明らかとなった。
(1)SFコンクリートは混和剤の影響により凝結速度は遅れるものの、適切な蒸気養生方法を選定することによって、所定の強度と耐凍害性を確保することができる。
(2)蒸気養生を行う場合は、製造時期、すなわちコンクリートの練り上り温度が強度発現に比較的大きな影響を及ぼす。このため、製造時期のコンクリートの練り上り温度に十分留意し、適切な蒸気養生方法を決定する必要がある。
(3)普通ポルトランドセメントを使用し、十分な強度と耐凍害性を確保するために必要な前置き時間は、コンクリートの練り上り温度が15℃前後のときには3時間以上、25℃前後のときには2時間以上とすればよいと考えられる。また、早強ポルトランドセメントを使用する場合は、このようなコンクリートの練り上り温度条件下では、2時間以上あればよいと考えられる。
(4)早強ポルトランドセメントの使用は、凝結速度はほとんど変わらないものの、蒸気養生を行う場合の強度発現に有効である。特に、コンクリートの練り上り温度が高くなる夏期において、その効果が大きい。
(5)凝結の始発前に蒸気養生を開始した場合でも、所定の前置き時間をとれば、連行空気泡の著しい拡大、大きな強度低下、表面の色の変化などは生じない。
PDFファイル名 016-01-1030.pdf


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