種別 論文
主題 超高強度コンクリート用新高性能減水剤の性質
副題
筆頭著者 木之下光男(竹本油脂)
連名者1 下野敏秀(竹本油脂)
連名者2 米澤敏男(竹中工務店)
連名者3 三井健郎(竹中工務店)
連名者4
連名者5
キーワード
16
1
先頭ページ 341
末尾ページ 346
年度 1994
要旨 1.はじめに
 近年、高性能AE減水剤の適用などの技術開発により、複雑な配筋を有する構造物に対しても施工性の良い現場打設高強度コンクリートがすでに実用化されるようになった。最近では、コンクリート系超高層建築のさらなる高層化等への適用のために、さらに高い強度を得る技術開発が盛んになって来た。設計基準強度が1000kgf/cm2を越える現場打設可能な超高強度コンクリートを製造するためには、強度を確保するのと同時に、水結合材比が20%程度の極めて小さい領域での流動性の確保が重要である。しかしながら、従来の高性能減水剤や高性能AE減水剤を用いたものでは、このような極低水結合材比の領域で練り混ぜたコンクリートの粘性が極めて高くなり過ぎ、充填性やポンプ圧送性などが著しく低下して充分な流動性の確保が難しく、施工が困難であった。この様な理由から、筆者らは流動性が良く施工性の良好な1000kgf/cm2を超える超高強度コンクリートの製造を目的として、極低水結合材比の領域でコンクリートの流動性向上効果に優れた超高強度コンクリート用高性能減水剤を分子設計の手法により新規に開発した。本報告では、結合材に普通ポルトランドセメントと粉末状シリカヒュームを用い、セメント分散作用に関する界面化学的性質と関連づけて、新高性能減水剤がコンクリート物性に与える基本的な性質について従来の高性能減水剤と比較しながら検討した結果を報告する。
4.まとめ
 水結合材比20%程度の超高強度コンクリートの現場打設を目標に開発した新高性能減水剤を用いてセメントペースト及びコンクリートの性質について調べた結果、以下の知見が得られた。
(1)新高性能減水剤は、水の表面張力、セメントヘの吸着量、ゼータ電位等の性質において、従来のナフタレン系高性能減水剤とポリカルボン酸系高性能AE減水剤の中間的な界面化学的特質を示す。
(2)新高性能減水剤は、従来のナフタレン系やポリカルボン酸系に比べて極めて少ない使用で、低水結合材比になる程、セメントペースト及びコンクリートに優れた流動性を与え、且つ、流動性の経時変化が小さく長時間流動性を保持することができる。
(3)新高性能減水剤は、低水結合材比20%程度のコンクリートの粘性を大さく低減する効果がある。
(4)新高性能減水剤を用いたコンクリートは、水結合材比20%で、ナフタレン系に比べて材令7日及び28日における圧縮強度の発現が優れており、また、乾燥収縮が小さくなる傾向にあり、シリカヒューム置換率0〜10%の場合において、優れた凍結融解抵抗性を示す。
 以上から、新高性能減水剤は水結合材比20%程度の超高強度コンクリートの施工性の向上と強度や耐久性の向上に効果を有する混和剤として、今後、応用面が期待できるものと思われる。
PDFファイル名 016-01-1055.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る