種別 論文
主題 レディーミックスセルフレベリング材の表面の性質に及ぼす流動化剤の影響
副題
筆頭著者 松久真人(小野田セメント)
連名者1 林浩志(小野田セメント)
連名者2 木之下光男(竹本油脂)
連名者3 三浦義雅(竹本油脂)
連名者4
連名者5
キーワード
16
1
先頭ページ 353
末尾ページ 358
年度 1994
要旨 1.はじめに
 従来より床下地材の省力化工法の一つとしてセルフレベリング材(以下SL材と略す)が使用されている。そのなかで近頃、S L材は専用プラントで練り混ぜ生コン車で現場に届ける大量打設可能なレディーミックスSL材が主流になってきた。このSL材を特に冬場の気温が低い時に打設をすると、表面に白い粉が析出する白華現象が見られる。白華現象は、仕上げの際に仕上げ材とSL材との接着を阻害する原因となるため、ポリッシャーがけ等による白華物除去作業を必要とするなどやっかいな問題になっている。
 レディーミックスSL材は、生コン車で輸送することから6時間程度の可使時間を必要とするため、流動性及び流動性保持性能に優れた流動化剤が検討又は使用されている。例として、ナフタレン系やメラミン系そしてフェノールその他誘導体を用いた芳香族スルホン酸系のホルマリン高縮合物を主成分とするものや、分子骨格に流動性保持機能を備えたポリカルポン酸系の流動化剤などである。筆者らはかかる目的のために、優れた性能を示す特殊アクリル系流動化剤を新規に開発し報告しているが、流動化剤の種頻を種々変更使用して検討した結果、白華発生量も大きく異なることが見出された。
 コンクリートやモルタルの白華現象については、過去にも多数研究されその諸要困やメカニズムについて論じているが、SL材に関しての流動化剤の構造と白華の発生メカニズムを関連つけた研究は今だされていないのが現状である。
 本研究では白華発生の防止を最終目標として、白華量や表面接着強度に及ばす流動化剤の影響について、特に流動性とその保持性能に優れたクラフトポリマー系の流動化剤を中心に、その横造と物性値、ブリージング現象などと関連させて検討を行なった。
 4.まとめ
 各種流動化剤を添加したSL材の白華現象、表面接着強度を、流動化剤の構造と物性値、ブリージンク現象などと関連させて検討した結果、次のような知見が得られた。
(1)SL材の白華発生のメカニズムは、ブリージングによる余剰水中のCaイオンが表面に移動した場合、空気中のC02を吸収してCaC03になることにより起こるものと推察される。
(2)特殊アクリル系流動化剤(A)のアミド基含有グラフト鎖は、SL材内部の水を捕えるような保水作用があることがわかった。
(3)特殊アクリル系流動化剤(A)を使用したSL材の白華量が少ない理由は、特殊アクリル系流動化剤(A)の化学構造の特徴であるアミド基含有グラフト鎖による保水作用によりブリージング率を抑制することができ結果として白華量を低減していると考えられる。さらに、凝結時間の短いことも白華量低減に寄与しているものと考えられる。
(4)アミド基含有グラフト鎖を導入した特殊アクリル系流動化剤(A)を使用することにより、骨材の沈下による分離が少なく、表面接着強度を向上させることができる。以上から、特務アクリル系流動化剤は、SL材の優れた表面の性質を得る上で適した流動化剤であるといえる。
PDFファイル名 016-01-1057.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る