種別 論文
主題 超硬練リコンクリートのコンシステンシーに関する研究
副題
筆頭著者 櫻井次郎(桜井建材産業)
連名者1 迫田恵三(東海大学)
連名者2 森川一行(桜井建材産業)
連名者3 国分範夫(桜井建材産業)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 443
末尾ページ 448
年度 1994
要旨 1.はじめに
 単位水量が著しく少ない起硬練りコンクリートは、セメントペーストの量が少なく、骨材間隔が狭くなるため、せん断強度が増加し、結果的に圧縮強度が増すので、少ないセメント量で所要の強度が得られる。起硬練りコンクリートは、コンクリート製品の製造に用いられるが、その製造システム制御技術の研究を推進するためには、振動締固め中の超硬練りコンクリートの挙動を詳細に検討する必要がある。従来、振動締固めによるコンクリートの極めて複雑な挙動についての報告があるが、残念ながら、質量を上載して振動締固めをうける、超硬練りコンクリートの挙動を知る方法は無かった。そこで、振動締固めによって、鉄筋に働くカを測定する実験をおこなったところ、コンクリート全体の沈降に伴い、鉄筋は一旦あるカで引き込まれて沈降する。コンクリートの沈降の終息とともに落ち着いた後、荷重計の張力によって振動中のコンクリート内を静かに引き上げられてゆく。最終的に、鉄筋に働く浮力の分だけ軽くなって釣り合った。この現象と資料を基礎として、新しく開発した球形加速度センサ(以下球形センサ、または単にセンサという)を用い、平板状の質量を上載した、強力な振動締固め実験装置によって、振動締固め終了時期の判定とコンシステンシーに関連する次のような結果を得た。
1)振動締固めをうける超硬練りコンクリート中における、球の浮上と液状化との関係および加速度波形の変化と締固め終了ならびにコンシステンシーとの関係
2)振動締固めをうけて粘弾性体の性状を帯びる超硬練りコンクリートの中を運動する、球の速度とコンシステンシーとの関係
 本研究の測定手法によれば、実験に用いたコンクリートの配合について、コンシステンシーの測定が可能であるものと判断できる。
5.まとめ
 今回、新しく開発した球形センサを用いた実験装置によって、超硬練りコンクリートが振動締固めをうけて液状化してゆく現象を捉えることに成功し、その過程を次の3段階に分けることができた。
1)空気の放出がおこなわれ、加圧板が急速に沈下し、球形センサが浮上を始める(液状化の発現)までの機械的な充填締固めの段階
2)液状化が進行し、粒子間の間隔が最小に近づき、センサの捉える加速度波形が急激に減少して、締固めが完了するまでの段階
3)コンクリートは粘弾性体の性状を帯び、付加加圧に適するようになる段階
 振動締固めによる、コンクリート中の加速度波形が急激に減少するときが、コンシステンシーの予測に関係していることがわかった。したがって、本研究の測定手法によれば、実験に用いた配合のコンクリートについて、コンシステンシーの測定が可能である。
 超硬練りコンクリートのコンシステンシーの測定に関して、次のことがいえる。
1)球形センサに代えて、単に球の変位を捉えることによって、測定方法の簡略化が期待できる。
2)コンクリートの配合、励振振動数、励振加速度、コンクリートの練り置き時間、周囲の温度など、コンクリートの性状に影響を及ほす要因について補正をおこなうことによって、より信頼性の高い値を得ることが可能である。
 なお、コンクリート中の球の運動速度とコンシステンシーとの関係、ならびに球引き上げによる、コンクリートの大きな変形などについて、現在おこなっている電子等価回路による振動解析とあわせて、今後慎重に研究を進めてゆく方針である。
PDFファイル名 016-01-1072.pdf


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