種別 論文
主題 浸水面からのモルタル凍結融解劣化分布の実験的検討
副題
筆頭著者 高科 豊(神戸市立工業高等専門学校)
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キーワード
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先頭ページ 549
末尾ページ 554
年度 1994
要旨 1.はじめに
 モルタルの凍結融解による劣化は、内部組織における毛細管空隙の含有水分の相変化に起因する。一般に、凍結融解劣化は表層に近い部分から破壊していく現象と考えられている。しかし、部材内部の劣化状況を十分に検討した研究事例は少ない。もし、部材の凍結融解劣化範囲を明らかにするための指標があれは、凍害劣化の補修において、有意義な見解が得られると考える。そこで本研究は、第一に水が供給される表層部からの距離に視点をおいて、観測値の場所的な把握をし、凍結融解の劣化分布について考察することを目的とする。また、第二に観測値として圧縮強度等の変動係数の大きい指標や距離間隔の小さい中では優劣のつきにくい指標が得られた場合、場所毎の劣化の大きさを少ないサンプル数で判断するのは非常に困難なことが予想される。そこで、得られる観測値をファジィ推論及びニューラルネットワークの数的処理を生かすことによって、凍害劣化基準値として統合化することにより、その評価の向上について検討するものである。
5.まとめ
(1)AE、プレーンの供試体種別に関わらず、表層からの凍結融解劣化作用によって、圧縮強度等に浸水面からの場所的相違があることがわかった。初期乾燥における影響はあるものの、今回のような防水条件を与えると、必ずしも表層に近い部分からのみ劣化進行するとは限らない。また、単位質量においてはAE供試体では各部における劣化相違があまり明確にならなかったものの、塩分浸漬等の影響はわずかに確認できた。
(2)プレーン供試体の場合、凍結融解劣化過程において、圧縮強度と単位質量には十分な相関があることがわかった。
(3)実験結果からの知見による知識表現を、ファジイ推論及びニューラルネットワークによって行い、観測結果を統合化することによって、少ないサンプル数でも、十分精度の良い凍結融解の劣化分布の推定を行うことの可能性があると考えられる。
 今後、観測項目の多指標化を行い、凍結融解劣化基準の確立と新らたなるルールの拡張導入及びその精度面の向上を行い、かつ面的或は立体的な様々な空間分布の評価を行う予定である。
PDFファイル名 016-01-1090.pdf


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