種別 論文
主題 RCはりの長期変形挙動に及ぼすクリープの影響
副題
筆頭著者 綾野克紀(岡山大学)
連名者1 阪田憲次(岡山大学)
連名者2
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
16
1
先頭ページ 627
末尾ページ 632
年度 1994
要旨 1.はじめに
 コンクリートのクリープまたは乾燥収縮によるひずみは、使用荷重下におけるコンクリート部材の性能にいろいろな影響を与えるために、設計においてその大きさが考慮されなければならない。これらの時間に依存するひずみは、コンクリート部材の変形と曲率を増大させ、コンクリートと鉄筋間の応力の再配分または内力の原因ともなる。また、高強度の鉄筋やコンクリートの使用の増加にともない、鉄筋コンクリート部材もますますスレンダーなものが採用されるようになっており、コンクリート構造物の使用性の検討上、コンクリート部材の長期にわたって生じるクリープたわみ等の変形挙動を正確に求めることがきわめて重要な要件となっている。
 鉄筋コンクリート部材およびプレストレストコンクリート部材のクリープおよび乾燥収縮等の時間に依存するひずみの影響を含む解析手法は、これまでにも種々のものが提案されている。しかし、設計において考慮されていた約4倍のクリープたわみが、実際のコンクリート構造物では生じた例も報告されている。このように、計算値と実験値との間に大きな差が現れる原因には、クリープ解析を行う上での種々の仮定、すなわち、平面保持の仮定、鉄筋ひずみとコンクリートひずみとの適合条件に関する仮定またはコンクリートのクリープひずみの応力に対する線形仮定等、様々な仮定の中に妥当でない仮定が含まれていることが考えられる。
 また、ひびわれを生じる鉄筋コンクリートはりのたわみを求める場合等においては、ひびわれの影響を考慮にいれた有効断面二次モーメントが決定されなければならない。しかし、有効断面二次モーメントは、鉄筋とコンクリートの付着特性、ひびわれ幅およびひびわれ間隔等の多くの影響を考慮に入れなければならず、容易に決定されるものではない。従って、特にプレストレスト力を導入しない一般の鉄筋コンクリート部材においては、外荷重によるひびわれを伴うために、部材の変形は、大きく、さらに正確に予測することの難しいものとなる。
 本研究は、一定持続荷重下にある鉄筋コンクリートはりの曲げたわみ、鉄筋ひずみ、コンクリート断面内におけるひずみ分布およびひびわれ幅を長期にわたって測定し、鉄筋コンクリートはりの長期挙動に及ぼすクリープの影響を調へることを目的とするものである。また、現在一般に用いられているクリープ解析手法に含まれる種々の仮定の妥当牲についての検証を行う。
4.まとめ
 曲げ応力を受ける鉄筋コンクリートはりにおいて、断面内のひずみ分布は、非線形クリープ解析により正確に計算できることが分かった。また、ひびわれ幅のたわみに及ばす影響は大きく、全断面有効と仮定した計算値は、実験値よりもかなり小さい値となることが明らかとなった。
PDFファイル名 016-01-1103.pdf


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