種別 論文
主題 初期応力を考慮した若材令コンクリートの水分移動特性に関する解析的研究
副題
筆頭著者 大下英吉(広島大学)
連名者1 谷口幸弘(広島大学大学院)
連名者2 田辺忠顕(名古屋大学)
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 639
末尾ページ 644
年度 1994
要旨 1.はじめに
 コンクリート中の水分移動に関する研究は、硬化コンクリートのクリープの解明を例にとるまでもなく、過去多くの実績が積み重ねられている。しかし、これらの研究とは別に、放射性廃薬物の地中処分に関してコンクリート中の水分拡散問題が、新たな視点から見直されつつある。即ち、現時点よりも詳細な水分移動モデルの構築がコンクリートについてもなされなければならなくなりつつある。この事情は、何も廃棄物処理の問題にのみ対応しているものではなく、大深度地下空間へのコンクリート構造物やコンクリートを主体とした海洋構造物など土圧や水圧のような多くの外力を受ける構造物の設計に際して、十分な安全性を確保するとすれば、必ず解決しなければならない問題なのである。
 そこで本研究では、提案している2相飽和多孔質材料としてのコンクリートの変形特性に関する解析理論に水和による体積収縮項を加え、養生中に生じる初期応力を考慮した理論の提案を行う。さらに、水分移動特性を内部に発生する間隙水圧として捉え、解析理論の妥当性を既往の実験結果との比較により検証することを目的とする。
6.結論
 本研究では、提案している2相飽和多孔質材料としてのコンクリートの変形特性に関する解析理論を、養生中に生じる初期応力をも考慮できるように拡張した理論の提案を行い、既往の実験結果との比較により本解析理論の妥当性を検証した。以下に、その結果をまとめる。
1)材令が3日の時点で養生中に生じるコンクリート内部の応力(初期応力)状態は、空隙には約22.0kgf/cm2の負圧が生じ、固体相にはそれに釣合う圧縮力が作用している。
2)本解析理論は、完全飽和状態を仮定しており、その妥当性は飽和度が高い水中養生の供試体における実験結果において確認された。また、飽和度が非常に低い気中養生の供試体との大きな差異は、本解析理論を不飽和状態に適用できるよう拡張させる必要があることを示している。
PDFファイル名 016-01-1105.pdf


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