種別 論文
主題 高強度コンクリートの圧縮性状に及ぼす供試体の高さ直径比の影響
副題
筆頭著者 野口貴文(東京大学)
連名者1 友澤史紀(東京大学)
連名者2
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 651
末尾ページ 656
年度 1994
要旨 1.はじめに
 通常強度のコンクリートでは、供試体の高さ直径比(H/D)の減少にともない圧縮強度試験結果が増加することが知られており、JIS A 1107中に補正係数としてその影響が定量化されている。小阪・谷川は、圧縮強度40MPaまでのコンクリートに対して圧縮強度試験を行い、圧縮強度の増大に伴い高さ直径比の影響は小さくなることを報告している。しかしながら、圧縮強度40MPa以上の高強度コンクリートに対する高さ直径比の影響に関しては不明な部分がまだ残されており、JIS A 1107の補正係数の適用性についても検討する必要がある。また通常強度のコンクリートでは、最大耐力以降、損傷の局所化とそれに伴う健全域の弾性除荷を生じるため、応力ひずみ曲線の下降域の形状が高さ直径比によって異なることが報告されている。しかしながら、高強度コンクリートの応力ひずみ曲線に及ぼす高さ直径比の影響に関する検討例は少ない。
 本研究では、供試体の高さ直径比が高強度コンクリートの圧縮強度および応力ひずみ曲線の形状に及ぼす影響を明らかにするために圧縮強度試験および有限要素解析を行った。また、高さ直径比が異なる場合の変形・ひずみの測定方法についても検討した。
4.まとめ
(1)高強度コンクリートでは、圧縮強度試験結果に及ぼす供試体の高さ直径比の影響は、通常強度のコンクリートと比較して小さい傾向にあり、その原因については供試体の力学的均質性を考慮した破壊メカニズムに関する検討が必要であり、JIS A 1107の補正係数も再考を要する。
(2)高強度コンクリートでは、テフロンシートなどを用いて供試体端面の摩擦をなくし、一軸圧縮状態で圧縮試験を行うことは、強度低下および変動の増加を招くため不適切である。
(3)高さ直径比が2未満の供試体を用いてヤング係数を測定する際、加圧板間変位の測定値から供試体のひずみを算出する場合、測定方法・位置によってはひずみが過大に算出されることがあるため、ひずみの測定方法および測定位置には注意を要する。
(4)高強度コンクリートの圧縮強度試験用供試体の高さ直径比は、試験結果の安定性、供試体の応力状態、測定位置に対するひずみ測定値の不変性などの観点から、現行通り2が適切である。
PDFファイル名 016-01-1107.pdf


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