種別 論文
主題 塗り床を対象とした下地コンクリートの含水率分布及び細孔構造
副題
筆頭著者 湯浅昇(日本大学)
連名者1 田中享二(東京工業大学)
連名者2 浅見勉 (エーピーシー商会)
連名者3 横田浩(清水建設)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 675
末尾ページ 680
年度 1994
要旨 1.はじめに
 鉄筋コンクリート構造物の表面に施す防水層、壁材、床材等の仕上材は、ふくれ、はがれ等の現象が起こり易く、意匠及び構造物の耐久性を考える上で大きな問題となる。これらの劣化現象は、仕上材及び接着剤の性質や環境条件ばかりでなく、下地となるコンクリートの品質と重要な関係にあると考えられている。特に、コンクリート中の水分は、仕上材との接着力を低下させるばかりでなく、界面に生じる圧力の原因になると考えられ、JASS 8「建築工事標準仕様書・同解説、防水工事」や「合成高分子系床仕上げ施工指針・同解説」等でもコンクリートの水分管理の重要性が指摘されている。しかし、接着はコンクリート表面に限定されるにも拘らず、これまでの研究の多くが総体としてのコンクリートの含水率や調合上の水セメント比と仕上の劣化との関係を検討したにすぎず、原因を十分絞り込めず劣化のメカニズムを解明しきれていない。仕上材の施工時期の決定に際しては、未だに施工者の経験的な判断に負うところが大きい。
 本研究は、下地となるコンクリートを総体的にとらえるのではなく、また仕上材にとっての「表層部」の範囲が明らかでない現状から、表面からの深さに対応した含水率、細孔構造の推移を明らかにすることを目的とした。今後、仕上材の劣化の防止に有益な情報を与えるものと思われる。実験は、塗り床を対象とした構造体コンクリートについて、表面からの探さ方向の含水率、細孔構造の推移に及ぼす塗り床の施工時期、防湿シートの影響を打設後2年にわたり観察した。
4.まとめ
 塗り床を対象とした構造体コンクリートについて、表面からの深さ方向の含水率、細孔構造の推移に及ぼす塗り床の施工時期、防湿シートの影響を打設後2年にわたり観察した。その結果、乾燥に伴う含水率分布の変化、塗り床施工後における水の挙動を明らかにし、材令初期の乾燥や防湿シートが長期的な含水率分布に及ぼす影響を明確にした。また、表面に近い程粗くなる細孔構造の探さ方向の推移を把握し、乾操継続時間が長い程この違いは大きいこと、表層部においては特に材令初期の乾燥に強く影響を受けることを明らかにした。
PDFファイル名 016-01-1111.pdf


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