種別 論文
主題 交流2電極法によるコンクリート中の含水率測定についての理論的検証
副題
筆頭著者 桂修(寒地住宅都市研究所)
連名者1 吉野利幸(寒地住宅都市研究所)
連名者2 田畑雅幸(北海道職業能力開発短期大学校)
連名者3 鎌田英治(北海道大学)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 735
末尾ページ 740
年度 1994
要旨 1.はじめに
 コンクリートは、セメントペースト、細骨材、粗骨材からなる複合材料であり、硬化セメントペースト中には大小様々な空隙があり、その空隙中には水が存在する。コンクリートの諸性状を考察するにはその水分の在り方が重要な関心事となる。しかし、建築部材としてのコンクリート中の含水分布の経時変化を非破壊で知る方法は確立されているとは言えないのが現状である。
 コンクリート中の含水分布、及びその経時変化を電気的性質から推定する方法について、古くは十代田らの研究、その後著者ら、笠井ら、小野ら、田代らによる研究があり、電気抵抗及び誘電率の測定による含水率測定法が報告されている。これらの研究によると、セメント硬化体の電気抵抗あるいは誘電率は合水率と温度に大きく依存し、実験値から温度に関する校正曲線を作成することにより合水率を知ることができるとされているが、現段階では、それらの理論的な関係が一般化されてはいない。
 本研究では、セメント硬化体の電気的性質としての比抵抗に着目し、これまでの研究に理論的見地からの検討を行ったうえで、含水率を比抵抗と温度の関数として記述する式を誘導した。また、セメントペースト及び、コンクリートによる実験からその適用を検証し、結果として、従来の枚正曲線を用いずに、数値解析により含水率を測定する方法を示したものである。
6.結論
 以上の検討の結果、本研究は以下に要約される。
(1)セメント硬化体中に含まれる電解質溶液の量と電気的性質から交流2電極法による含水率測定法に関する理論的見地を示した。
(2)セメントペースト、コンクリートによる実験を行い、本研究で述べた理論的見地の成立とコンクリートヘの適用を検証した。その結果、比抵抗、測定温度と含水率の関係を記述した(6)式を用いて含水率を測定する方法を示し、従来の温度による校正曲線の作成を不要とした。
(3)本研究で用いた電極の有効測定領域が半径20mm以下であることを実験により確認した。
 本研究で示した含水率測定法を、コンクリートの凍害に関する凍結水量の推定、構造体コンクリート中の含水分布と爆裂に関する耐火性能の評価、コンクリートの乾燥収縮と内部含水率分布変化の評価、構造体コンクリート中の水分移動の評価等に応用することが今後の課題と考える。
PDFファイル名 016-01-1121.pdf


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