種別 論文
主題 海水飛沫を受けるRC構造物の塩分浸透と鉄筋腐食に関する研究
副題
筆頭著者 東邦和(奥村組)
連名者1 小西正郎(奥村組)
連名者2 白石祐彰(奥村組)
連名者3 福田聡之(東京電力)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 781
末尾ページ 786
年度 1994
要旨 1.はじめに
 LNG火力発電所における海水飛沫を受ける構造物の耐久性向上を目的として、一連の研究を実施した。対象のオープンラック式気化器の鉄筋コンクリート構造物は、LNGを気化するための海水が常に噴霧状にかかる環境にあり、鉄筋コンクリートの耐久上厳しい条件におけるものである。一般に、これらの構造物は、機能維持のため定期的にメンテナンスが実施されているが、耐久性の向上により大規模な補修を必要とする期間を延ばすことは重要な課題である。本研究は、当該鉄筋コンクリート構造物における塩化物イオンの浸透性、コンクリートの品質、中性化の影響に関して、セメントの種類、混和材、表面塗装材について実験的研究を行なったものである。セメントの種類と中性化の影響については、乾湿促進実験により中性化させた供試体と、中性化させない供試体の結果を比較し、塩分浸透と鉄筋の腐食を考察した。また、現地での暴露試験の結果と対比することにより耐久性を評価した。
4.結論
 本研究によって下記の事柄が明らかになった。
1)水セメント比を低減することによる塩分浸透と鉄筋発錆に対する耐久性向上の効果は大きい。
2)高炉セメントB種コンクリート(BB)は同一水セメント比の普通ポルトランドセメントコンクリート(OPC)よりも塩化物イオンの拡散係数が1/2〜1/3と小さく、かつ鉄筋の発錆が少なく耐久的である。
3)普通ポルトランドセメントに高炉スラグ微粉末と分級フライアッシュを添加したコンクリート(BF)は、中性化を受け易く、中性化部分での鉄筋発錆面積が大きいが、中性化を受けない場合は塩化物イオンの拡散係数は小さく、鉄筋発錆面積も小さい。
4)海水噴霧部のように飽水状態に近いところでは中性化の進行は遅いとみられ、高炉セメントB種コンクリート(BB)、微粉末を混合したコンクリート(BF)の適用が有利と考えられる。
5)表面塗装の比較により造膜型では効果があったが、浸透型では効果が得られなかった。
6)暴露供試体及び実構造物の観測を通じて塩化物イオン浸透量の予測精度を向上することによって、塩分浸透に関する構造物の耐久性を評価し、維持管理計画を立てることができる。
PDFファイル名 016-01-1129.pdf


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