種別 論文
主題 水素発生領域におけるプレストレストコンクリートの電気防食
副題
筆頭著者 峰松敏和(住友セメント)
連名者1 堺孝司(北海道開発局)
連名者2 池田勝日輝(北海道開発局)
連名者3 石川光男(日本防触工業)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 841
末尾ページ 846
年度 1994
要旨 1.はじめに
 塩害によるコンクリート構造物中の鋼材の腐食に対して、電気防食法が抜本的な対策として着目され、我が国においてもその適用例が増加しつつある。特に、鉄筋コンクリート構造物に関しては、その適用技術はほぼ確立され、今後、さらに普及するものと考えられる。
 一方、プレストレストコンクリート(以下PCと呼ぶ)への適用に関しては、電気化学上の問題、すなわち、過防食状態での電気防食時に水分が電気分解し、発生する水素がPC鋼線を脆化させる現象、いわゆる水素脆化が懸念される。このため、その適用例は少なく、我が国で試験的に実施された3例およびイタリアで新設のPC橋梁に適用された約10万m2のみである。
 PC構造物では、防食電位を水素発生領域に至らせないことで、電気防食の適用が可能と考えられるが、そのためには、水素発生領域でのPCの電気防食の挙動を把捉しておく必要がある。すなわち、これらの挙動はプレテンションとポストテンション方式では異なること、ポストテンション方式ではシース管とシース管中のPC鋼線では防食電位が異なること、腐食欠損したシース管を有する場合の各部位における電位の挙動が不明なこと、コンクリートの乾燥状態の違いにより発生する水素量が異なり水素脆化の危険性の程度が異なるなど、解明すべき問題点が多く残されている。
 本文は、上記のような問題点を明らかにするため、モデルPC供試体を用い、水素発生領域での電気防食時の電位やひずみを測定することで、PC構造物への電気防食の適用の可能性を検討したものである。
5.まとめ
 これまでに実施した試験結果に基づくと、シース外面の防食電位が水素発生電位近傍となった場合でも、シース管内に存在するPC鋼線は、これよりも貴となり、水素脆化の危険が小さくなることが明らかとなった。したがって、シース管が健全な状態のPC構造物への電気防食の適用の可能性はかなり大きいと考えられる。本実験は、比較的乾燥状態(酸素供給が良い)にある条件で実施したが、今後、さらに卑な電位での実験を実施するとともに、湿潤状態として酸素の供給が少ない条件での実験も実施する予定である。
PDFファイル名 016-01-1139.pdf


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